間違った取り組みをしていたラーメン屋の売り上げが、たった1ヶ月で伸びた話

Japanese staff preparing noodles in Tokyo.Japanese staff preparing noodles in Tokyo.
 

経営者を悩ませる、食材費と人件費を意味する「FLコスト」。ただし、そればかりに気を取られていては、売上を上げるのは難しいようです。無料メルマガ『飲食店経営塾』の著者で飲食店コンサルタントの中西敏弘さんは、自身が実際に相談を受けた、とあるラーメン屋のケースを紹介。その店舗は中西さんのアドバイスを実践し、1ヶ月で売上がアップしたそうです。

自分達にとっては「当たり前」であっても、それが間違っていることもある!

先々月、ラーメン店4店舗を経営している経営者さんから相談をいただきました。最初は、Zoomで色々話をし、実際に店を見ながらの方がより具体的なアドバイスができるということで、3日後に店にお伺いしました。

4店舗を社長と臨店しながら色々と車内で話をしていると、僕にはすごく引っかかることがありました。

「そこまでは、人は掛けれない」
「原価率が高くて、どうすれば原価率は下がりますか?」

と、やたらと「FLコスト」ばかり気にする発言をするからでした。そして、4店舗の中のある1店舗で、バックヤードを見学していたら、ある張り紙を見つけました。そこの冒頭には、

「人時売上高、4,500円をなんとか達成しよう!」

と。店の取り組みですから、「売上をこうやってあげていこう!」とか「お客様の喜ぶことをしよう」という内容を書くのが一般的ですが、「人時売上高を上げよう」というのが店舗の一番の目標になっていたのでした。

これが、今、この会社が伸び悩む一番の理由と思い、社長に「なぜ、FLコストや経費ばかりを気にされるのですか?」と尋ねてみました。その答えは、「会計士さんが、利益をだすためには、FLを圧縮するしかないと
言われたからです」と。

確かに、利益を出すことは、経営上、最も大切なことには間違いありません!ただし、売上がなければ利益はでないのも事実です。

ある程度売上があるのに、利益がでないのは、それは、FLコストなどの管理、コントロールが甘いからで、その時に初めて、コスト管理が大切になります(常に、コストコントロールできていることが重要であることは言うまでもありません!)。

なので、まずは、「どう売上をあげるかに注力した方がいい」とアドバイスしました。また、これまでは、客数よりもどう客単価を上げるかに注力していたので、それも「客数」をどう伸ばすかに着目しようと。

メニューも主力商品に絞り込み、これをどう売っていくか、どう質を高めるかに絞って行動しましょうと、アドバイス。

また、4店舗のうち、1店舗が、経費ばかりを気にして、いつも人が不足気味で営業していた店があったので、その店舗に対しては、一度、販促を行い「再認知」をはかっていってはどうですかともアドバイス。

こんな話を5時間ぐらいして、僕は帰京しました。帰宅後、メールで上記のことを再確認の意味を込めて文章で送付し、もし継続的な支援が必要ならこの費用で顧問契約が可能という旨のメールを送付しました。

その3日後、社長からメールをいただきました。そこには、「コンサルティングをお願いしたい」という旨が書かれていました。僕は早速連絡をとり、コンサルティングの申し込みに対するお礼を述べ、4日後にコンサルティングの進め方についてZoomで打ち合わせをしたいとお伝えしました。

さて、その4日後、Zoomでミーティングしたのですが、「僕がアドバイスしたことどうされました?」、と確認すると、既にすべてもうやったと。メニュー変更、スタッフに対しても利益も大事だが、まずは売上という意識で今後やっていこうと、そして、販促も、日程を決めチラシの作成依頼まで終わっている、と。

なんとまあ、動きの速いこと!

僕と社長が最初に話したのは、ほんの10日前です。この行動力には、本当にびっくりしました。

あれから1ヶ月が過ぎました。既に、売上に変化が出ています(もちろん、いい意味でですよ!)。

販促も見事成功し、その店舗も少しずつ売上はアップ傾向にあります(ただ、まだまだ色々なテコ入れは必要なようですが…)。

自分たちが「当たり前」と思い込んでいることが、実は、間違っている場合もあります。今回は、それに気が付けたのが一番良かったし、だからこそ継続的な支援をお願いしたいという話を社長さんからいただきましたが、もしかしたら、皆さんにも「自分たちの常識(当たり前)」が間違っている場合もあります。

もし、この社長と同じようにその常識の違いに気づき、すぐ路線変更すれば、1ヶ月ぐらいで成果がでだすということもあります。もちろん、1ヶ月で成果がでるのは稀ですが、この社長さんのように行動が早ければ、より結果が出やすくなります。

僕のご支援先には、行動が遅いところもあり、「結果が欲しいです」とおっしゃる経営者さんもいますが、行動が早ければ結果はもっと違っているはず。アドバイスされたことを“そのまま”やる人ほど、結果は出やすいです!

現状に悩まれている方は、一度、違った視点で店、会社を見直してみてはいかがでしょうか?

image by: Shutterstock.com

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【著者】 中西敏弘 【発行周期】 毎週2回

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