入管の難民認定は却下が「前提」?ブラックボックス下で「人権侵害」が横行するニッポン!やがて日本国民も「緊急事態条項」を憲法に盛り込まれ「人権」が追いやられる!
ウガンダから3年前に来日した女性は、レズビアンだったため、ウガンダで警察に拘束され、過酷な拷問を受けた結果、皮膚移植の手術まで受けた──というひどい迫害を受けました。
ウガンダでは、同性愛は犯罪だからです。
今年5月からはさらに法律が厳しくなり、ウガンダで同性愛者の最高刑が「死刑」にまでなっています。
このウガンダ人女性は、入管で難民申請を行いましたが、書類審査だけで「信憑性がない」という判断で難民認定を却下されています。
ゆえに難民審査参与員と直接面談する「対面審査」を求めたものの、これも認められませんでした。
母国ウガンダに強制送還されれば、警察に逮捕され、再び命の危険も伴うことになります。
幸いなことに、難民支援団体の協力の下、2年前に大阪地裁に提訴でき、今年3月に「難民認定すべし」という判決が下されて、ウガンダへの強制送還は免れています。
ようやく日本で安心して働き、生活できるようになったのでした。
泥酔した入管の日本人女医がコロンビア人女性の胆石を診察したものの、女医は「胆石などどうでもいい」と薬も処方せず放置!
大阪の入管では、今年1月に、酔っぱらった女医が、胆石に苦しむ収容者の診察にあたり、「胆石などどうでもいい」と暴言を吐き、患者を放置した事件も明らかになっています。
のちに、改訂入管法反対の国会議員が、この女医の呼気アルコール検査結果のデータを入手して公表しましたが、呼気1リットル中のアルコール濃度が0.36ミリリットルだったことがわかっています。
運転免許の場合なら、アルコール濃度0.25ミリリットルで「免許取り消し」になります。ものすごい泥酔状態での診察なのでした。
この女医は、そうした問題行動により、その後の医療業務からは外されたそうですが、入管全体における職員のモラル低下が十二分に窺える話だったのです。
読者の皆様はどのようにお考えでしょうか。
ここまでご覧いただいた通り、入管の「難民認定」そのものが、極めてずさんな管理体制下で行われています。
日本の「難民認定数」が異常に少ない理由がお判りいただけたのではないでしょうか。
これは、迫害に遭ったと訴え、難民認定を求める外国人だけの問題ではないのです。
入管難民法を強化改訂する以前に、日本の入管そのものの体質を抜本的に改めるべきが先決ではありませんか。
難民申請者の認定過程では、書類審査だけでなく、必ず対面審査を実施し、その際の録音・録画を記録する、あるいは申請者の代理人の同席も必要とすべきでしょう。
適正な審査が行われていない可能性が高すぎるからです。
まずは、入管自体の改革が求められるのです。
このように難民申請者の認定率が著しく低い現状は、今後も国際社会からの批判の高まりがますます予想されるでしょう。
難民認定業務を入管でなく、第三者的機関を新たに設立して行う必要性もあるのではないでしょうか。
このままでは、またぞろ入管内部における不祥事がなくならない──と思われるからです。
ブラックボックスで隠蔽された組織では、腐敗の根絶は難しいのです。
いずれにしろ、入管という、私たちのよく知らない組織の中では「人命軽視」「人権軽視」の事態がさんざん行われてきているのです。
私たち日本国民も、こうしたひどい状況に声を上げておかないと、やがて憲法改正で「緊急事態条項」を入れられ、戦前に逆戻りしかねないでしょう。
戦前の「人権無視・人権弾圧」の黒歴史を為政者に繰り返させないためにも、今回の「人命軽視」「人権軽視」の入管難民法改訂に賛成した政党には、今後も投票しないようにしたいものなのです。
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