はじめから色メガネの差別的視点でとらえ、出入国在留管理局によって「難民」が阻まれる現実!異常に少ない日本国の難民認定数とその疎外のための非常識なシステム!
法務省のデータによれば、日本における難民認定者数の推移は以下の通りです(申請者数、認定者数、認定率、人道的配慮の在留許可人数の順)。
(申請者数) (認定者数) (認定率) (人道配慮)
●2010年 1,202人 39人 (3.2%) 63人
●2011年 1,867人 21人 (1.1%) 248人
●2012年 2,545人 18人 (0.7%) 12人
●2013年 3,260人 6人 (0.18%) 151人
●2014年 5,000人 11人 (0.2%) 110人
●2015年 7,586人 27人 (0.35%) 79人
●2016年 10,901人 28人 (0.25%) 97人
●2017年 19,629人 20人 (0.1%) 45人
●2018年 10,493人 42人 (0.4%) 40人
●2019年 10,375人 44人 (0.4%) 37人
●2020年 3,936人 47人 (1.1%) 44人
●2021年 2,413人 74人 (3.0%) 74人
これに比べて、2021年の諸外国の場合はどうでしょう。
(申請者数) (認定者数) (認定率)
●米国 210,488人 20,590人 (18.06%)
●英国 60,950人 13,703人 (56.56%)
●ドイツ 253,688人 38,918人 (15.14%)
●フランス 171,323人 32,571人 (15.65%)
●カナダ 35,839人 33,801人 (55.38%)
●豪州 28,326人 3,562人 (13.53%)
桁違いに、難民認定数の比率や人数が多いことが一目瞭然でしょう。この違いは、いったいどこから来ているのでしょうか。
日本の入管は、就労を目的とする「偽装難民」を極度に疑い、母国での「迫害」や「虐待」への洞察が極めて浅く、定義があいまいで限定的なところに、まず問題の核心がありました。
つまり、母国で身体拘束されたり、虐待されたり、強制労働に従事させられた──としても、それを必ずしも「信憑性あるもの」として捉えようとしない出入国在留管理局側の姿勢に大きな問題があるのです。
母国の事情を把握できていない知識不足状態にも関わらず、書類審査を中心に、ほんの少しの人だけに対面審査をするだけで、難民かどうかを判断する──といった非常に杜撰な体制だからです。
難民申請する側の人間にとっては、母国に強制送還されれば、生命・身体に危険が及ぶ──という切迫した事情があるのに、そうしたことへの配慮がほとんど欠落している──という状況が濃厚なのです。
そもそも収集するのも難しい、迫害などの証拠となる申請書類を難民認定を申請する側が多数用意しなければならず、おまけに入管側はテキトーな書類審査を中心に判断し、それでも「事実かどうか、信憑性がない」などと一刀両断に切り捨ててしまうからです。
迫害などの事実証明を「難民申請する側」に求めることからして、そもそも非常にハードルが高いのです。
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