入管法も改悪。難民の人権を軽視する法案を平気で通す日本の異常

 

難民・激増の時代!世界の潮流に逆行する「人命・人権軽視国家ニッポン」!

世界の人口は、2022年末時点で80億人を突破しました。

しかし、世界人口が80億人を超えてなお、命の危険にさらされる厳しい環境下におかれる人々の数も激増を続けています。

1950年にスイスのジュネーブで設立された国連難民高等弁務官事務所(UNHCR=ユーエヌエイチシーアール=略呼称はアンカー)によれば、現在世界の紛争や迫害によって、家を追われた難民や避難民の数は、1億1,000万人に達したと推計されています。

世界人口の80人に1人が、つねに迫害などによる命の危険にさらされる難民や避難民──ということなのです。

しかも、2020年時点(約8,000万人)と比べても、わずかこの2年余りで3,000万人も激増しており、UNHCRの推計によれば、70年前から統計を取り始めて以来、難民や避難民の数は増え続け、毎年のように過去最多数を記録しているのです(1日平均約4万1,000人ずつの増加)。

ものすごい数の難民や避難民が生まれ続けているのです。

絶え間ない紛争や迫害によって、難民や避難民が増えているのは、シリア、ベネズエラ、アフガニスタン、南スーダン、ミャンマー、コンゴ民主共和国、スーダン、ソマリア、中央アフリカ共和国、エリトリアといった国々が突出して多くなっています。

これらの国々からは、数十万人から数百万人単位で難民や避難民がつねに輩出されており、世界の難民や避難民全体の4分の3を占めるとまでいわれています。

こうした状況に対しては、第2次大戦後に世界各国が手を差しのべるべく協調し、1951年に「難民の地位に関する条約(現在加盟146ヵ国)」が採択され、1967年にはその条約の不備を補う「難民の地位に関する議定書(現在加盟147ヵ国)」が採択されて今日に至っています。

この2つを合わせて、国際的な「難民条約」と呼ぶのです。

この「難民条約」は、難民の取り扱いに関する最小限の人道的基準を設定しており、難民のための国際的協調と団結を強め、庇護を提供する場合、政治的な理由で難民認定の基準を変更することがないように定められたものでした。

出入国在留管理局の「一括一元管理」が日本国の難民認定を阻んでいる!

日本が、難民や避難民と関わるようになったのは、1970年代後半からでした。

ベトナム、ラオス、カンボジアなどのインドシナ3国が社会主義政権となり、旧政府関係者や新体制を嫌う人々が小型船で周辺国へ逃れるボートピープルとなり、日本にも流れ着いたことに端を発し、1981年に日本も「難民条約」に加盟したのでした。

日本における出入国に関わる法律は、1951年に公布された「出入国管理令」を1982年に改訂した「出入国管理及び難民認定法」です。

この法律で「観光で上陸する外国人、日本での就労を目的に長期滞在する外国人、さらに難民申請を行うために上陸する難民申請者、外国人技能実習で入国する外国人」まで、まったく異なる目的で来日する外国人の出入国を、すべてひと括りにして管理しています。

そもそも、ここに現在の日本国における「難民」への無理筋対応や根本的矛盾が生じている──と言わざるをえないのです。

なにしろ、出入国在留管理局そのものが、本来はオーバーステイ(不法滞在)や不法就労を取り締まるための行政庁だからです。

紛争や迫害で祖国を追われてきた「難民」や「避難民」に人道的に対処するには、まったく不向きな役所でしかないからです。

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