プーチンを強く批判する、ロシアとウクライナの「重要な秘密」を知る男が拘束された理由

The concept of law and crime. There are handcuffs on the flag of Russia.
 

ドンバスの悲劇はなぜ起きた?

「親プーチン派」の重要な論拠に、「ウクライナ軍がドンバス地方(ルガンスク州、ドネツク州)で、ロシア系住民を虐殺した」というのがあります。

私は、ウクライナ軍がルガンスク、ドネツクで、「かなりひどいことをした」ことを否定しません。というのも、ルガンスク出身の人から、話を聞いたことがあるからです。彼らは、プーチンがルガンスク州を併合したことを喜んでいました。

とはいえ、物事は、きっちり時系列で見ていくことが大事です。

2014年3月17日、クリミア議会が独立を宣言しました。2014年3月21日、ロシアがクリミアを併合しました。2014年4月7日、ドネツク州の親ロシア派が「ドネツク人民共和国」の建国を宣言しました。2014年4月27日、ルガンスク州の親ロシア派が「ルガンスク人民共和国」の建国を宣言しました。

ウクライナは、自国領内で二つの勢力が分離独立を宣言したことを、容認できるでしょうか?普通に考えたらできません。当然、ウクライナ政府は、独立を阻止するための戦いを開始するでしょう。

親プーチン派の人はよく考えて欲しいと思います。チェチェン共和国が独立を宣言した時、エリツィンとプーチンは、「どうぞ独立してください」と容認したでしょうか?しませんでした。実際は、第1次チェチェン戦争(1994~96年)、第2次チェチェン戦争(1999~2009年)によって独立を阻止したのです。

ウクライナ政府が「プーチンと同じこと」をするのは、当然ではないですか?いえ、他のどんな国でも、自国内で誰かが突然独立を宣言すれば、それを阻止するための内戦が起こるでしょう。

だから、ロシア側が主張する、「ドンバスの悲劇」は、ルガンスク、ドネツクの親ロシア派が、「独立を宣言したことで、内戦が勃発した」ことが原因で起こったのです。もし彼らが、独立を宣言しなければ、「ドンバスの悲劇」は起こらなかったでしょう(私は、ウクライナ軍のしたことを肯定していません。ただ、「因果関係」を明らかにしているだけです)。

そしてもう一つ。「親ロシア派が独立宣言した」。

これ、「ウクライナ領に住んでいたロシア系ウクライナ人が、自発的に独立宣言したのか」それとも、「ロシアが積極的に関与して独立宣言させたのか?」でかなり話が変わってきます。

「ロシアが独立宣言させた」のであれば、「内戦ぼっ発」の責任は、ロシアにある。よって「ドンバスの悲劇の責任も、主にロシアにある」ことになります。

print
いま読まれてます

  • プーチンを強く批判する、ロシアとウクライナの「重要な秘密」を知る男が拘束された理由
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け