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日本も「自国ファースト」の姿勢を強めてしまうのか

そしてエチオピアの隣国スーダンは、もう手が付けられない状態にまで混乱が進んでおり、医療サービスも教育サービスも提供されず、国内は政治的な勢力争いと軍の指揮権の争奪戦の激化の裏で、人道的に悲劇的な状況に発展しています。スーダン政府に入れ込んでいたアメリカ政府もすでに離れ、UNによる支援も有名無実化し、そしてエチオピア政府による敵対的な介入も激化する中、なかなか安定に向けた出口が見えない状況です。

ミャンマー情勢も国際情勢から見放された結果、何が起きているのかが見えづらくなってきていますが、国軍勢力と民主派グループとの血で血を洗う戦いは各地で継続していますし、この混乱に乗じて、タイやマレーシア、インド、そして中国が、それぞれの勢力拡大のための草刈り場としてミャンマーに対する介入を強めていますが、これもまた、滅多に報じられない悲劇に発展してきています。

その他、ここではお話しし尽くせない紛争や内乱が世界各地で起きており、“安定”も失われ、大国の草刈り場に姿を変え、一般市民がその犠牲となって生命を奪われ、生活を奪われる状況が顕在化してきています。

1993年に東京で第1回アフリカ開発会議(TICAD 1)を開催してから早30年。これまで8回のTICADを日本政府が主導し、2025年には第9回会議(TICAD 9)が横浜で開催されることが決まりましたが、果たしてこの30年間で、日本はアフリカ各国と心を通わせ、友人として安定と繁栄に寄り添ってきたと言えるでしょうか。

もうインフラ支援や経済的な介入では中国には敵わないと言われ、中国の影響力がアフリカ諸国で広がる中、日本はアフリカの諸国に対してどのような姿勢で臨み、寄り添い、安定に寄与するつもりなのでしょうか?

世界の分断が急速に進み、鮮明化する中、国際社会は残念ながら協調から分断へと進み、相互不信とエゴの拡大による戦いが激化してきています。

そのような中、日本はどのような立場を取り、国際社会に貢献しようと考えるのでしょうか?それとも日本も自国ファーストの姿勢を強めるのでしょうか?

ロシア・ウクライナ戦争が確実に泥沼化し、長期化する中、急ぎ立ち位置を定め、しっかりとした戦略を立てて行動に移すことが必要とされていると考えます。

調停官としては扱う案件が増えて忙しくなる一方ですが、何とか国際情勢の安定化に貢献できるように全力を尽くしたいと思います。

国際情勢の裏側でした。

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