「台湾有事は日本有事」の大ウソ。危機を煽る『週刊現代』総力特集の支離滅裂

th20230911
 

もはやいつ勃発しても不思議ではないような論調で語られる「台湾有事」。そんな状況の中、4大週刊誌の一角を占める『週刊現代』に10ページにも渡る「台湾有事大特集」が掲載されました。この記事に対して異論を唱えるのは、ジャーナリストの高野孟さん。高野さんは自身のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』で今回、同記事を「デマゴギーでしかない」と一刀両断した上で、台湾有事が起こらない理由を詳しく解説しています。

※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2023年9月11日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

デマゴギーの最たるもの。「台湾有事は日本有事」の妄想煽る『週刊現代』

『週刊現代』9月9・16日合併号が巻頭で10ページを注いで「台湾有事/日本はこうして戦争に巻き込まれる/米政府系シンクタンクの極秘シミュレーション」と題した総力特集を組んでいる。タイトルを見ただけでも分かるように、21年3月の米軍幹部の議会証言をきっかけに俄かに盛り上がった「台湾有事切迫」論に安倍晋三と麻生太郎が飛びついて「台湾有事は日本有事」という妄想を目一杯膨らませ、それを岸田文雄首相が政府としての情勢認識の基調に据えて未曾有の大軍拡に踏み出そうとするのを、さらに煽り立てようとするところに狙いがある。

とはいえ、内容は杜撰とまでは言わないが、かなり大雑把で、記事の前と後とで整合がとれていなかったりして、この問題の理解をかえって掻き回してしまう結果となっている。

日米の軍事施設・基地に先制攻撃を加える習近平

全体は4部構成になっていて……、

(1)沖縄がミサイル攻撃され、大量難民が日本に押し寄せる日/米ジョージタウン大学戦略国際問題研究センター(CSIS)が今年まとめた「中国が台湾侵攻を決意したとき、何が起きるか」のシミュレーションを基礎に、

(a)今から数年後に習近平が台湾の武力併合を指令し、その場合「中国側から見て最も合理的なのは初動で台湾周辺にある日米の軍事施設・基地に先制攻撃を加えること」である、

(b)それによって周辺海域を封鎖した中国軍は、満を持して台湾本島を落としにかかり、ミサイルを降り注いで台湾軍に大損害を与える、

(c)米軍が台湾軍を支援するには、潜水艦と、在日米軍基地から発する戦闘機しかない、

(d)そうこうするうちに中国軍は台湾の西もしくは東から上陸侵攻し、傀儡政権を立てる……。

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