新党立ち上げ前にすでに流れていた「10月解散説」
いや、もちろん、はたから見ていると、「自称保守票」が割れる原因にもなるのだろうし、いずれ自滅するのではと思えてくるが、解散総選挙の時期にまで影響を与えるほどのダークホース感まで発揮してるかあああ!??
これを言っちゃあおしまいよ、という話だが、そもそも「10月解散説」というウワサは、百田が新党を立ち上げると言い出すよりもずっと前、6月ごろにはすでに言われていたという事実もある……。
● 「10月22日投票のうわさ」 維新代表、次期衆院選巡り(2023年6月25日 日本経済新聞)
倉持麟太郎氏にたずねてみたが、やはり「10月解散の噂はありますが、百田ヘッジではないっす」という極めてライトな返信があった。
そんな百田のライブ配信だが、タコツボとは言え、人気がある。
ライブ配信時の同時視聴者数は、常時およそ18,000人~20,000人、配信後も再生回数は25万~35万回平均だ。
カレーせんべいが怒られた、三浦瑠麗に関する小林先生の切り取り動画でも10万回前後だったから、ネット上での動員力の強さが見える。
視聴者からは、毎回、百田に向けて投げ銭が落とされているが、特に新党を立ち上げると宣言してからは、その額が20万円を超えているらしい。
百田がその話をはじめると、チャット欄が呼応して大盛り上がりを見せはじめ、1000円、1600円、10000円とどんどん投げ銭が投入されはじめた。
「ごめんなさい!一気に投げ銭が!要求してません、してませんよ。浄財、清いお金は、党の活動資金に使わせていただきます!もうすでに私も有本さんも、だいぶお金をつぎ込んでます!」
「ま、ま、また増えていく。どんどん増えていく。すいません、ありがとう!ありがとうございます!」
「わ、もう投げ銭やめて下さいとは、私の個人チャンネルやったら言うとこですけど、ま、これ、個人チャンネルなんですけど、あの、活動費ははっきり申し上げまして、1円でも欲しいという気持ちがあります」
投げ銭は要求していないといいながら、自分も有本もかなりの額を活動資金に突っ込んでいると言って、あきらかに募っている百田。
480円、320円、800円、5000円、3000円……あっという間に、総額10万円を超えた。
「本当にありがとうございます。ありがとうございます!はい、ホントに私は、このハゲ頭をご覧いただくしかありません!」
「おおきに!もうこのハゲに、『おおきに』と書いて見せましょうかね」
「おおきに!」
おでこにマジックで「おおきに」と書き入れ、投げ銭が入るたびに「おおきに!」「おおきに!」と叫んで、わざとハゲ頭を見せる百田尚樹、67歳──。
さらに、「一般の党員の方の党費は月500円」と党費の話を持ち出し、ますます投げ銭を煽る煽る!
この党費の話と、「ハゲ頭おおきに芸」で、たちまちタコツボチャットは盛り上がり、数分間で20万円以上の投げ銭が集まった。
「ご寄付」を募りまくる竹田研究会のコジキ版?
なんというか、スゴイ世界を見たという気分だ。
この党首が、現政権を焦らせ、潰しにかかるためにウィキペディアに圧力をかけ、解散総選挙に打って出るほどの大物であったとは──。
んなわけあるかーい!
さて、今週発売された『月刊Hanada』令和5年11月号は、前号で私が想像したとおり、あっと言う間に百田新党にニャンニャン絡みついた雑誌になっていた。
トップ記事は、百田と有本の対談で「独占激白 日本保守党の真実」。
そして、「私たち、日本保守党を応援します!」というキャンペーンが展開され、見城徹、井沢元彦、篠田英朗、島田洋一、門田隆将、一色正春など10人の寄稿が掲載されている。
さきほど入手し、ちらっと読みはじめたが、またもやびっくり仰天の内容であった。
次回、じっくりレポートする。
(『小林よしのりライジング』2023年9月26日号より一部抜粋・文中敬称略)
2023年9月26日号の小林よしのりさんコラムは「キャンセルカルチャーとは何か?」。ご興味をお持ちの方はこの機会にご登録ください。
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