「自民が圧力をかけた」日本保守党のWikiページ削除に発狂する百田尚樹シンパたち

 

花開く「自民は日本保守党を相当恐れている」という世界観

ライブ配信のチャット欄には、百田シンパが集結し、

「自民党の嫌がらせだな」
「自民党の破壊工作だ」
「言論統制だろ」
「ウィキペディアは反日だ!」

などの書き込みであふれていた。

アンチ自民党だけに、「自民党に圧力を受けた」と考えたい人が多いようだ。

自民党にネット監視部隊がいることは有名だが、仮にそうだとしても、ウィキペディアから結党前の「日本保守党」のページを消させて、一体どれほどの効果があるのかよくわからない。ぺんたごんが、日本人から鶏肉と卵を奪おうとして、養鶏場にちまちま放火しているという陰謀論と同じくらい、さっぱりわからない。

百田は、YoutubeやX(旧ツイッター)でガンガン発信していて、「ツイッター内与党、第1党になった!」「日本保守党のフォロワー数、圧巻の自民党超え!」「ネット世論の意中の政党だ!」などとみんなでお祭り騒ぎをしているのだから、そちらのほうが有意義じゃないか。

ウィキペディアとしては、「記事の立項は、結党されてからで良い」という考えで、どうせ来月には結党されるのだろうから、「わざわざ削除するのも二度手間に感じます」という意見を書いている編集人だっている。破壊工作でも嫌がらせでもないだろう。

だが、百田本人は納得がいかないご様子だった。

「でもね、特筆性がないと言えるでしょうか?9月1日にXのアカウントができました。ここからフォロワーがぶわーっと増えていってですね、たった15日間で自民党を追い抜いたんですよ!」

「ここで、やっぱりやーめたなんて言うはずがないですよね」

「著名やと思うんですよ、すでに。著名性がない、特筆性がない、だから削除と言うんだったら、こんなもん、ウィキペディアにある記事の半分ぐらいが削除ですよ」

SNSのフォロワー数が、自民党を追い抜いたということが、よほどの誇り……いや、唯一の「特筆事項」になっているようだ。

だが、月刊『WiLL』と『Hanada』、『夕刊フジ』という身内メディア以外には浸透しておらず、そもそもまだ結党前で、大手マスコミが扱う対象にもなっていない。

著名なのは、タコツボの中だけ。一般的にはまだ知られていないのだ。

「たしかに理由は納得できるんです。でもね、『それがウィキペディアちゃいますの』と言いたいわけです」

とは言え、百田も、削除の理由は理解しているらしい。ただ、どうせいい加減なネットのフリー百科事典、それがウィキペディアなんだから、いちいち消すなよと言いたいようだ。

それなら、「別にウィキペディアに載っていようがいまいが、どうということはない」というのが結論になりそうだが……。

チャット欄には、相変わらず

「公明党、創価学会のやつらやで」
「自民党は、本気で潰しに来るらしい」
「敵には相当効いてますよ」

など、「敵=自民党は、日本保守党を相当恐れている」という世界観が花開いていた。

そんな百田、別の日のライブ配信では、「衆院10月解散」というウワサについてとりあげ、日本保守党の正式な結党日が10月17日に予定されていることから、自民党が、「日本保守党の結党前に、解散総選挙に打って出て潰してしまえ」と考えているのではないかと語った。

「いろんなことを考えながら解散のタイミングを見計らっていると思いますが、その理由のひとつに、私は、『日本保守党を潰したい、日本保守党がリングにも立てない間に、なんとか試合を進めてしまいたい』というのがあると見てます!」

「その比重が大きいか小さいかはわかりません。でも日本保守党は、自民党関係者からものすごいバッシングされてます」

「焦りがあるのかなと思います」

ないない。

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