「統一教会のために死ね」の意味か?韓鶴子総裁の“特攻隊”トンデモ発言

Hak_Ja_Han2006-02-05
 

いよいよ秒読み段階に入ったとも伝えられる、政府による旧統一教会への解散命令請求。そんな状況に対する焦りもあるのでしょうか、教団の韓鶴子総裁が発したとある言葉が大きな話題となっています。今回のメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』では、かつて旧統一教会の信者だったジャーナリストの多田文明さんが、韓国に集められた2世信者たちに韓総裁が語ったとされる「日本を救う特攻隊」という発言の意味を考察。さらにこの物騒な物言いが招きかねない事態を憂慮するとともに、1世信者たちに対して冷静な対応を呼びかけています。

図りかねる意図。旧統一教会の韓鶴子総裁が2世に語った「特攻隊」という言葉

旧統一教会の韓鶴子総裁が2世に話す「特攻隊」の言葉から思うこと

すでに報道されているように、韓国に旧統一教会の2世信者を集めて、韓鶴子総裁が「日本を救う特攻隊」と語ったとされています。

国対ヒアリングで配られた資料のなかにも、韓鶴子総裁は「特攻隊は、真の父母様が銘じれば絶対服従で従います」「真の父母様に侍(はべ)る誇り高き天一国の特攻隊であり、有志であることを自覚してください」と発言したとされています。

すでに記事にもしましたが、私の信者時代は伝道機動隊という、過激な名称のついたグループに所属して、精神的身体的な限界がくるまで、死ぬ気での街頭での勧誘活動を指示されました。

しかし今の2世たちにはその言葉の一歩上をいくような「特攻隊」という言葉が使われています。これには大変な危惧を持ちます。

特攻隊では多くの若者が飛行機に乗り、自ら敵艦隊にぶつかっていき命を失いました。それを彷彿とさせるような言葉をメシヤである教祖は話しています。

戦時中、子供を亡くした親たちは「お国のため」であるとしながらも、残された家族たちは相当な辛い思いを抱えたことでしょう。今2世たちに「教団のため」として「死ぬ気でぶつかる」よう指示する言葉で煽ることにはとても心配な思いを持っています。

2世を持つ親たち(1世信者)はこの言葉を聞いて、「そうだ。そうだ」と思っているのでしょうか。

もう一度、胸に手をあてて考えてみる必要があります。自らも通過してきた過激な伝道、お金の集め(万物復帰)の活動に、自分たちの子供を従事させることになるからです。

1世信者の多くは、伝道、霊感商法、マイクロ隊(マイクロバスで寝泊まりしながら、モノ売りの活動をする)など何年にもわたり様々な苦しさを味わった人もいると思います。そして多くの被害者を生み出しました。その苦しみをその子供にも背負わせることになるわけです。

誰が逮捕されても不思議ではない。「新世事件」「青森事件」を繰り返すな

旧統一教会は、先祖解怨のための高額献金をするように、今も「救いの道」を示しています。

しかし今は「不当寄附勧誘防止法」ができて、以前にも増して高額なお金集めに厳しい目が向けられています。

過去の旧統一教会の被害の清算が充分になされていないなかで、もし死ぬ気で誰かを誘うという伝道を行い、法律における禁止行為である「畏怖・困惑」などさせて誰かに高額献金などをさせることになれば、2世が罰を受けることもあるかもしれません。

もっと考えてほしいのは、過去に新世事件、青森事件などで印鑑販売を行っていた信者らが逮捕されました。

しかしあれは、当時の統一教会の信者であれば、誰の身に起こっていてもおかしくはないことです。たまたま、その印鑑販売会社に教団の指示で人事異動になった人たちが逮捕されただけです。

今「特攻隊」という言葉を通じて、教団の指示で過激な伝道や経済活動をさせられれば、同じようなことが2世の身にも降りかかるかもしれない危険な状況といえます。

心ある1世信者は、取り返しのつかない行動をする前に、過激な行動をしないように2世信者を守ってあげてください。本当にそれを願います。

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