ジャニー喜多川の卑劣。敵視するジャーナリストへ長期にわたり「報復」の衝撃事実

 

百歩譲って、成人同士だったら問題はここまで深刻ではなかったかもしれません。ところが、被害者の少年の中には、当時12歳とか11歳とか小学生、中学生がいたんですよ。確か14歳以下との人物との性交渉は当時の法律でも、仮に合意のもとで行われていても、強制わいせつ、あるいは暴行傷害罪になったはずです。もっといえば、子供たちへの性犯罪は児童虐待に当たります。現在、米国のエプスタイン事件やバチカンでの少年レイプ事件がなぜ世界中で大騒ぎになっているといえば、まさにペドフィリアによる児童虐待だからです。

これは明確に凶悪犯罪なんです。しかも、組織的な隠ぺいも行われているという。ニューヨークタイムズの取材は、カルビン・シムズ特派員と、超優秀なリサーチャーの常岡千恵子さんと私上杉隆の3人がチームを組んで、この問題を追いました。

とはいえ、取材を開始したとはいえ、まだ噂レベルの情報がほとんどで、週刊文春の記事だけではとてもではないが記事化できるはずもない。結論からいえば、のべ50人ぐらいのジャニーズ関係者(タレント含む)、もしくは元ジュニアの方などに直接取材をしました。そして、私自身は当のジャニー喜多川さんを追いかけることになったのです。

連日、彼の自宅と合宿所に通い詰めました。当時の事務所は六本木のアークヒルズにあったんですが、そこは合宿所と呼ばれていて、ジュニアたちの宿泊が可能な自宅も兼ねていました。セキュリティのガードマンのいる正面玄関で、ピンポン、ピンポンと部屋番号を鳴らしたものです。最初のうちはジャニーさんと接触できたのですが、コンシェルジュから顔を覚えられた後は通知がいくのでしょう、私が来るとジャニーさんは外出しなくなりましたね。そうした時は、のぞみ法律事務所に行ったり、乃木坂の隠しマンションに行ったりしました。

それでもしつこく取材を続けていたら、そのうちに弁護士が警察に通報したのでしょう、私が到着するとすぐに麻布署の警官が来るようになりました。警察官も何度も来られていて気の毒でした。もともと議員秘書時代から警視庁には知己がいたので、本庁からも連絡が入って「上杉さん、もうほんとに勘弁してくださいよ」っていう感じになってました。

現場では、「これ以上続けるようでしたら事情聴取をしなくてはなりません」と警官に警告されたこともありました。もちろん逮捕に至ることはありませんでしたが、正当な取材活動ですら、警察がここまで気をつかうのですから、当時からジャニーズ事務所の力は相当だったのでしょうね。

(次回配信号に続く)

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