お腹の脂肪が多い人ほど脳の体積が小さく。認知症関連の最新研究

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さまざまな研究データにより、肥満やメタボの人ほど認知症のリスクが高くなると言われています。その説を裏付け、肥満の人に衝撃を与える研究データが、新たにアメリカから上がってきたようです。今回のもりさわメンタルクリニックの無料メルマガ『精神医学論文マガジン』が紹介する最新医学研究は、中年男女のお腹の脂肪の量と脳の部位ごとの体積との関連を調べたもの。研究結果からは、認知症予防のためにも、脂肪を蓄えすぎない生活習慣を意識する必要があると言えそうです。

脂肪量と脳体積の関係

肥満と認知能力低下との関連について指摘されることがあります。今回は、様々な部分の脂肪量と脳体積との関連について調べた研究をご紹介します。

中年期における腹部の内臓・皮下脂肪と脳体積減少
Visceral and Subcutaneous Abdominal Fat Predict Brain Volume Loss at Midlife in 10,001 Individuals

10,001人の中年期健常者(平均52.9歳、47.2%女性)が対象となりました。腹部の内臓脂肪・皮下脂肪量と脳の部位ごとの体積との関連を調べました。

結果として、以下の内容が示されました。

  • 内臓脂肪が多いと多くの部位(灰白質全体、白質全体、海馬、前頭皮質、側頭葉等)での脳体積が減少していました。
  • 内臓脂肪量増加の影響は女性の方が、男性よりも大きくなっていました。
  • 皮下脂肪に関しても、脂肪量の増大は脳体積の減少と関連を示していました。

要約:『中年期における内臓脂肪・皮下脂肪の増加は脳体積の減少と関連している』

他の多くの要素が関連するかもしれませんが、脳の状態を保つ上で、脂肪量の調整は大切であると思われました。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 もりさわメンタルクリニック 【発行周期】 日刊

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