一方で、今回、個人的に残念だったのは「過労自殺」を「過労死」と同義で扱ってるメディアが少なくなかった点です。過労死と過労自殺は、別ものです。「過労死」と「過労自殺」を分けて考えないことには、過労自殺をなくすのが極めて難しくなります。
「過労死」はいわゆる突然死で、長時間労働と直接的な関連があるため、長時間労働をなくせば、過労死を防ぐことが可能です。
一方で、過労自殺は「長時間労働」を防ぐだけではなくなりません。過労自殺の場合には、目標の達成ができないなどの行き詰まりから来る精神的なストレスの比重が高く、鬱などの精神障害の発症と深く関係します。
医師の「自己研鑽」には研究論文の提出や、学会発表なども含まれていますので、論文の進み具合などで、精神的に追いつめられた結果、生きる力を失ってしまう可能性も十分に考えられます。
極論をいえば「長時間労働」がなくても、過労自殺はおこります。通常の勤務と自己研鑽の両立は極めて難しい。だからこそ、海外では「自己研鑽」と通常の勤務を分けているのでしょう。
いずれにせよ、「医者は聖職であり、医者は唯一無二の存在だ」などと、時代錯誤の考えは淘汰されるべきだし、2024年4月から開始予定の「医師の働き方改革」を確実に実行してほしいです。
みなさまのご意見、お聞かせください。
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