中国の新興自動車メーカー「理想」(Lixiang)が、昨年の後半に情報を出していたBEV(車載の二次電池パックに充電された電気エネルギーのみで電動機を回し走行する、二次電池式電気自動車)の「理想MEGA」に関する情報が“消失”していると、現地中国で話題となっているようです。日刊で中国の自動車業界情報を配信するメルマガ『CHINA CASE』では今回、期待されていた「理想MEGA」が“消えた”件について詳しく取り上げています。
満を持して発表の「理想MEGA」が“消失”
2023年後半の半年、断続的に情報を出し続け、期待を高めていざ発表した中国新興メーカー理想(Lixiang)のMP BEV「理想MEGA」が“消失”してしまっている。
2023年12月にも納車が始まるのではないかと言われてきた中で、Lixiang公式SNSも、煽り続けた同社ファウンダー李想氏も完全に沈黙。
2023年に急成長を果たし、REEV専業だったLixiangが満を持して用意した最初のBEV、最初のミニバン。その特徴的な外観で新時代を感じさせた「理想MEGA」に何が起きているのか。
競合は高評価
同じタイミングで発表となった、やはり中国新興メーカー小鵬(Xpeng)の初のMPV「X9」は、順調に内装も公開。
3列目のフラット及び沈み込む形のトランクスペースが高く評価され、予約受付価格も38.8万元と40万元(約800万円)を切り、すこぶる評価が高いのとは対照的。
内装に新味無し?
「理想MEGA」はワールドプレミア後、ほぼ沈黙してしまい、内装の発表もないまま。
業界ではあまりの情報のなさに、「理想MEGA」の内装には目新しさがなく、現時点で同社のフラグシップSU REEV「L9」と大差ないものであって、発表が躊躇われているのではないかと憶測する向きもある。
ただ仮に、内装の配置や機能が「L9」と大差ないものであったとしても、「L9」の現時点での高評価から考えれば、それでも問題ないように見える。
調整事項が多すぎ?
「理想MEGA」の消失の要因はそこではなく、初めてのBEVであること、それまでのSUVにおけるいわゆるLixiangフェースから乖離した初めての試みであり、その設計上に問題があるのではないか、とも指摘される。
例えば、初期のマスキングされた「理想MEGA」と、発表直前の後期マスキング「理想MEGA」ではAピラーのあり方が全く違う。
初期は直立していたが、後期は斜めに設計され直され、それが発表時にも受け継がれている。視認性に問題があったための修正だと思われる。
こうした調整が発表後にも思いのほか発覚し、修正に勤しんでいる可能性がある。現時点で、改めての発表は2024年2月の春節明けではないかとみられている。
2023年には月販4万台を突破、5万台も見え始めており、急成長を果たしたLixiangが満を持してリリースするはずだった「理想MEGA」。2024年のLixiangのあり様を暗示させなければよいのだが。
出典: https://auto.gasgoo.com/news/202312/27I70376021C501.shtml
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