あきれるほどの“守銭奴”ぶり。パー券ウラ金疑惑で特捜部が狙う「自民大物議員」の名前

 

泉房穂氏と和田秀樹氏が語る「西村評」

そのうち1回が開催されたのは12月8日だ。茶話会の案内状には「政治資金パーティー」とあり、会費は2万円。パー券の購入者は西村氏と懇意の大口のスポンサー企業だという。「カーボン・クレジット取引の未来と可能性」と題し、講師を招いていたが、不思議なことにチケットを買った企業の社員は参加していない。集まったのは西村氏が動員したと思われる経産省の官僚10人足らずだった。

会場費や講師への謝礼、ランチとして出される高級サンドイッチなど飲食費用を差し引いても1回あたり数百万円の儲けがあるという西村事務所関係者の声を紹介し、「いわばサクラを使った架空パーティー」と記事は断じている。

ちなみに、総合政策研究会の2022年分の収支報告書をみると、「西村やすとし君を囲む会」「西村会セミナー」「特別セミナー」「飛躍の集い」「出版記念講演会」といった名称の政治資金パーティーを計18回にわたって開催し、1憶2,138万円を稼ぎ出している。これでもまだ足りずに、派閥のパーティー券収入を裏金化したりしているのだから、あきれるほどの守銭奴ぶりである。

西村氏は兵庫県明石市出身。実家は時計店、父親はサラリーマンというから、世襲議員ではない。灘高から現役で東大に合格して、法学部を卒業、1985年に旧通産省入省という絵に描いたような秀才だ。

だから、若いころから「総理大臣になりたい」と夢をふくらませるのは決しておかしなことではない。世のため人のため、と大志を抱く青年は頼もしい。ただし、その目的が「利他」ではなく、地位に就くことそのものであるなら、勝手にするがいい。

ここで、いま最も期待されている政治家、前明石市長、泉房穂氏に登場いただくのは本意ではないが、ジャーナリスト、鮫島浩氏とのネット対談で漏らした証言があまりに西村氏の“人となり”を示していると思われるので以下に再現した。泉氏は同じ明石市出身で、東大生のころからの知り合いである。ただし、親しい仲ではない。

「西村氏は当時、通産省の官僚でしたが、東京都のクルーズ船を借り切ったというので行ったら、愕然としたのは、通産官僚でありながら殿様気分で女の子侍らせて『お前ら俺が総理になったら官邸へ呼んだるからな』と言うたのが忘れもしませんわ」

泉氏は「政治にお金がかかるというのはウソだ」と主張し、実際に自らの応援演説の力によって、昨年の立川市長選、所沢市長選、三田市長選、岩手県知事選を、「非自民」候補の当選に導いた。

12年間にわたる明石市政で、子育て関連予算を倍増させ、18歳までの医療費や第2子以降の保育料、中学の給食費など「5つの無料化」を実施、10年連続で人口増加を実現し、地域経済を活性化したのは周知の通りだ。

「政治とカネ」の面で、泉氏の対極にあるのが西村氏だといえる。週刊文春の記事に、西村氏の支援者の次のようなコメントが載っている。

「西村氏は『僕は総理になるために生まれてきた』と公言しており、総理になるにはカネが必要と考えている。初当選した頃に会いに行くと、開口一番『月10万円以上献金してくれる企業を10社探してほしい』と言われ、閉口しました」

野望というのは、隠すのが普通だが、西村氏は若いころから、それを剥き出しにしていたようだ。

灘校・東大の同窓である精神科医の和田秀樹氏は「頭はすごくいいけれど、人の気持ちへの共感能力が極めて低い」と西村評を述べているが、「僕は総理になるためにカネが必要」という類の話を聞いて他人がどう思うかについては驚くほど鈍感なようだ。“上から目線”で物を言う西村氏のパワハラ体質は有名で、秘書たちが次々と辞めていく異常な実態も報じられている。

この記事の著者・新恭さんのメルマガ

初月無料で読む

print
いま読まれてます

  • あきれるほどの“守銭奴”ぶり。パー券ウラ金疑惑で特捜部が狙う「自民大物議員」の名前
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け