あきれるほどの“守銭奴”ぶり。パー券ウラ金疑惑で特捜部が狙う「自民大物議員」の名前

 

西村前経産相の「生殺与奪権」を握る人物

そんな人物であるから、経産相だった昨秋、西村氏らの一行がサンフランシスコに外遊したさい、大臣秘書官の女性をホテルの隣室のコネクティングルームに泊まらせたという週刊文春報道も、辞めた元秘書が提供したネタなのではと、妙に納得させられるのだ。

政治資金規正法は報告書への不記載や虚偽記載の罪を会計責任者に負わせる“たてつけ”になっており、検察が議員を立件するには、指示や相談をしたという共謀を立証しなければならない。先述したように、西村氏は事務総長として、パーティー券売上のキックバックを取りやめる方針を撤回したさい、会計責任者に報告書への記載方法などを指示したと考えられるのだが、問題は、それをどう立証するかだ。

かつて、自民党「平成研究会」(旧橋本派)が日本歯科医師連盟(日歯連)から受け取った1億円を政治資金収支報告書に記載しなかった事件があった。

2001年7月、当時の臼田貞夫・日歯連会長と橋本龍太郎、青木幹雄、野中広務といった平成研の重鎮が同席した会合で、橋本元首相が1億円の小切手を受け取った。このカネを裏金として処理したが、それが発覚すると、臼田会長と平成研の会計責任者が逮捕され、政治家のなかではなぜか宴席の場にいなかった村岡兼造元官房長官だけが在宅起訴された。

会計責任者の「1億円を裏金として扱うことを会長代理の村岡が決めた」という証言のみが根拠になったが、村岡氏がスケープゴートにされた可能性が高い。

今回のパーティー券裏金事件についても、メールや文書などの物証だけではなく、会計責任者の供述も重要なポイントとなる。つまり西村氏を生かすも殺すも会計責任者しだいなのだ。

総理大臣への飽くなき夢がはかなく砕け散るのかどうか。西村氏は薄氷を踏む思いで検察の動向をうかがっているにちがいない。

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image by: 西村 康稔 - Home | Facebook

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