櫻井よしこ「大炎上」に見る保守言論の衰退。なぜネトウヨは女教祖を見捨てたか?愛国・韓国・カルト三店方式の限界点

 

極右の女教祖・櫻井よしこ「思想転向」の謎

「クリスチャン・サイエンス・モニター」の記者を経て日本テレビの「きょうの出来事」のキャスターをつとめ、中国残留孤児についての感動的なルポを書き、薬害エイズ問題で、帝京大学元副学長、安倍英氏に単独突撃インタビューを敢行していた1990年代中盤の櫻井氏は、どちらかといえばリベラルなジャーナリストだったように思う。

彼女はどこで、どのようにして変質し、右翼の女教祖のようにまつり上げられていったのだろうか。

「国家基本問題研究所」を設立し初代理事長に就いたのは2007年12月のことだった。

「美しい国づくり内閣」「戦後レジームからの新たな船出」と唱えて安倍晋三氏が第一次政権をスタートさせたのが2006年9月。

二人は、その頃に知り合ったのかもしれない。

その後、櫻井氏が安倍政権を支える「日本会議」「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の大看板になっていったのは言うまでもない。

櫻井よしこ氏と旧統一教会のただならぬ関係

この鮮やかな変身の背後に、大きな力が働いていなかったのかどうか。韓国の情報機関については知る由もないが、櫻井氏もまた統一教会と関係があったのは間違いない。

事実、櫻井氏は2012年4月、「世界日報」の読者でつくる「世日クラブ」の設立30周年を記念する講演会で「日本よ、勁き(つよき)国となれ」と題して講演している(ふりがなはMAG2NEWS編集部)。

本来なら、日本は侵略の罪を清算すべきと言う統一教会と、日本の国体を重視する日本会議は根本から相容れないはずである。

しかし、そこはあえて無視し、反共産主義という一致点だけで協調してきたすえに、深刻な矛盾が露呈したかたちとなった。

日本会議、統一教会ともに安倍派を主要なパイプとして日本の政治に関わってきた。その安倍派が解散を決め、自派閥を継続する茂木幹事長は追い討ちをかけるように、安倍派幹部たちに離党や議員辞職まで含めた政治責任を判断せよと求めている。

刑事訴追を免れたとはいえ、彼らがケジメをつけられないようでは、国民からの不満が高まり、次期衆院選への影響が避けられないとの判断からだろうが、このさい、安倍派の実力者を党外に追いやることで、ポスト岸田レースを有利にしたいという思惑もありそうだ。

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