会社の利益を知ることができる損益計算書。5種類の利益が書かれているのですが、銀行目線と経営者目線で重要視すべき項目が違うそうです。今回の無料メルマガ『税金を払う人・もらう人』では、著者で現役税理士の今村仁さんが、その損益計算書について解説しています。
〈銀行が重要視する利益〉と〈経営者が重要視すべき利益〉
■5つの利益
損益計算書には、5つの利益が表示されています。
上から表示順にみていくと、売上高から原価を控除した「売上総利益」。
売上総利益から給与などの販売費及び一般管理費を控除した「営業利益」。
営業利益から雑収入や支払利息を加減算した「経常利益」。
営業利益から役員退職金等の特別損益を加減算した「税引前当期純利益」。
税引前当期純利益から法人税等を控除した「税引後当期純利益」。
それぞれの利益にそれぞれの意味がありますが、銀行が重要視する利益と経営者が重要視すべき利益は異なることが多いです。
■銀行が重要視する利益
銀行は融資する際に、当然ですが、融資した資金がきちんと期日通りに戻ってくるのかということを重要視します。
いわゆる融資先の「返済能力」を見極めて融資の可否などを判断します。
その意味では、会社の営業外の事項や特別な事項を除いて、本業でどれくらいキャッシュベースで儲かっているのかということをみたいのです。
そのため、上記5つのうち特に「営業利益」を重要視します。
更に言えば、キャッシュベースでの本業での儲けという意味で、「営業利益+減価償却費」を重要視します。
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