ガーシー被告「懲役4年求刑」は重いか軽いか?国民の一票で選出された元国会議員・東谷義和の「公益性」

 

5億の借金…「背水の陣」から迫りくる“遠吠え”としてのYouTube

ご存じ、ガーシーは、ギャンブルで5億円の借金があり、金を借りていた知人の勧めで不本意ながら暴露系ユーチューバーとなり、迫真の怒鳴る演技?で配信していた。まさに演技を超えて背水の陣から迫りくる遠吠えのようだった。

瞬く間に登録者数と再生回数は上がり一躍有名になった。

その強気なガーシーが、今後は一切配信しないなどと供述しているという。ただ、動画の配信で多額の収益を得ている一方で、被害弁償は済んでおらず、その資金もないとも述べているらしい。

早くからジャニー喜多川氏の性加害問題をカウアン岡本さんから聴取するなど、その功績に恩を感じている関係者も多いことだろう。

しかし、それが本当に結局は金目当てだけだったというのか。

動機に酌量の余地はなく、脅迫の内容も強烈で、国外に逃亡して警察を挑発するなど犯行後の情状も悪質だったと受け止められ、常習脅迫罪の成立が認められた場合、実刑になってしまうのだろうか。

どうも腑に落ちない。昨今の週刊文春やフライデーなども暴露と言えば暴露だろう。週刊誌ではなくYouTube動画で記者が怒涛の罵声で喋りまくってもここまでの罪に問われまい。

国民からの投票で「国会議員」に選ばれた暴露系YouTuber

ガーシーは国会議員でもあった。これは立花孝志氏の算段だろうが、国会議員当選を果たしたとき、本気で芸能界の闇が葬られるのかもしれないと思った人たちは多いはずだ。それが投票数として形となった。闇を暴こうぜ、ということだけではなく、本当の綺麗な芸能・エンタメを望んでいる人たちは沢山いるのだと確信した。

このガーシーを選んでしまった、一票を投じた有権者はどういう気持ちで今いるだろうか?なんていう人もいる。逆に問いたい。あなたは「芸能界の闇」に対してどう思っているのか? 今の政治の継続で何かがかわるのか?と。

この287,714票という、30万票に少し満たない多くの票を集め、当時のNHK党から当選したが、有権者が投じたこの票の重みはあるだろう。

2022年参院選当時、安倍元首相の銃撃直後の投票。そこでガーシーに投ぜられた票は、見通しのきかない闇にまみれ、閉塞感に満ちていた日本政治への批判票であったと思う。

現在の日本政治は、「政治とカネ」「旧統一教会」など多くの問題を抱え、その解決策や出口の見えない中で、さらに閉塞感に満ちている。

日本の民主主義の崩壊が始まっている?

これは政治だけのことではない。歌舞伎界も宝塚歌劇団の一件もしかり、松本人志や『セクシー田中さん』の原作漫画家・芦原妃名子さんの急死もすべてが現代の闇とエゴと金のいびつな関係性、全部が繋がっているのではないだろうか。

同じことを繰り返さないためにも、政党側も、候補者の選定には責任を持つ必要があるし、有権者は、しっかりと候補者を見定めて投票する必要がある、なんていう人もいるが本当にそうだろうか。

ガーシーの当選は候補者の選定を見定められなかった人たちによる投票数なのか? とてもそうは思えないのは自分だけなのだろうか。

日本の民主主義を考え直す契機としても良いだろうなんて、とんでもない。日本の民主主義の崩壊が始まっているのではないだろうか?

この一件はネットデジタル時代における言論の影響力を象徴している。インターネットが与える声の力は強大である一方で、その声が如何に社会的責任と結びついているかを私たちは今こそ考える時だ。

特に影響力のあるインフルエンサーや有名・芸能人が行う発言は、広範囲にわたる影響を及ぼす可能性がある。キョンキョンこと小泉今日子さんの「バラエティ番組はくだらない」という言葉さえ炎上するのだ。なんで炎上するのか。

それは人間の意識が時代と葛藤しているからだろう。男と女、善と悪、相反する二元論的思考から多様性を取り入れ始めて、脳が再起動し始めていることに気づかなければならない。

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