プーチン露が総攻撃へ、敗北確定ウクライナ。西側メディアの「大本営発表」に騙され続けた世界

Kyiv,,Ukraine,-,23.03.2022.,Shopping,Mall,Retroville.,Bomb-damaged,Trade,Center
 

22年2月のロシアによる軍事侵攻開始以来、事あるごとに「ウクライナ優勢」を伝え、時にはプーチン大統領の重病説まで流布してきた西側諸国のメディア。しかし現状は彼らが報じてきた内容とは正反対の「ウクライナの敗北」が確定的であり、それを証明するかのようにプーチン氏は次期アメリカ大統領に関して、自身のウクライナ侵攻に「有利」な判断を下すことが予想されるトランプ氏よりバイデン氏のほうが好ましいとの発言を行っています。そのような中にあって、早い段階からウクライナ劣勢の見立てを発信してきたのは、元国連紛争調停官の島田久仁彦さん。島田さんはメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』で今回、近いうちにロシアによる総攻撃が開始されるとの新情報を明かすとともに、ウクライナが国家消滅の危機から脱することが可能か否かを考察しています。

反転攻撃は失敗。敗戦どころか国家消滅の危機に瀕するウクライナ

「ロシア・プーチン大統領による蛮行を許してはならない」と欧米諸国とその仲間たちはロシア包囲網を敷き、ロシアを国際社会と経済から締め出そうとしまし、昨年6月までに最新鋭の武器・兵器もウクライナに供与して、対ロ反転攻勢を後押ししようとしました。

反転攻勢は実施当初は一定の結果を収めていたと思われますが、実際にはロシア軍による待ち伏せに遭い、十分に時間をかけて張り巡らされた塹壕と、旧式戦車を地中に埋めて大砲として用いる戦略、そしてびっしりと敷き詰められた地雷原によって、ロシア軍の堅固な防衛線を突破できませんでした。

その後はロシアとの圧倒的な兵力・兵器差(ロシアを100とすれば、ウクライナは20未満)と、ロシアによる最新兵器の投入により、じわりじわりとウクライナ側の被害が拡大していくという事態に陥りました。

それでも無人ドローン群による攻撃や無人海上ドローンによるロシア艦船へのアタックなどにより、一定の目立つ戦果はあげるものの、その無人ドローン生産施設と輸送手段を次々と精密誘導弾で攻撃されるとともに、徹底的なインフラと輸送路へのミサイル攻撃によって大きな被害を受け、反転攻勢は失敗したと言わざるを得ない状況に陥っています。

状況を反転させるためには欧米からの切れ目ない支援が不可欠とされていますが、欧米諸国は皆、一向に成果が上がらないことで支援疲れに陥るとともに、国内で巻き起こる対ウクライナ感情の悪化と関心の著しい低下に直面して、なかなか迅速かつ決定的なレベルでの支援を打ち出せていません。

その元凶は、アメリカ議会において政争の具に対ウクライナ支援を持ち出し、“バイデン政権が何らかの成果を上げることを阻止したい”共和党による徹底的な反対によって、バイデン大統領がゼレンスキー大統領に行った9兆円規模の支援の“口約束”が実現する見込みがない状況でしょう。

そのような時にEUが500億ユーロ(約8兆円)規模の支援を約束するという明るいニュースが飛び込んではきましたが、アメリカの支援の穴を埋めるには能力不足と言わざるを得ない状況で、軍事支援に至っては、本格化できるのは早くとも2025年後半と言われています。

もしウクライナがそれまで持ちこたえていたら、戦況に対する変化は期待できるかもしれませんが、先日触れたように、NATOによる155ミリ砲弾薬の生産と実戦配備が2027年になることと合わせると、あまり期待できないものと感じています。

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