有田芳生氏が一刀両断。自民党「裏金調査報告書」に書かれていない“不都合な真実”

 

調査報告書で「明らかにされなかった」こと

調査でわかったのは、裏金(還付金)をもらっていたのは53人、中抜き(留保金)は16人、両方の方式を取ったのは16人の合計85人だった。調査した期間は、政治資金規正法で時効を迎えていない平成30(2018)年から令和4(2022)年の5年間だ。

裏金の総額は、5年間で5億7,949万円。85人の個人ごとの裏金では、最多の3,501万円から4,000万円が1人、次が2,501万円から3,000万円で2人、2,001万円から2,500万円は3人、1,501万円から2,000万円は7人だ。

この金額と聴取した議員の名簿を照らしていくと問題が明らかになる。まずは起訴された大野泰正参議院議員(5,100万円)、逮捕された池田佳孝衆議院議員(4,800万円)、辞職した谷川弥一前衆議院議員(4,355万円)は、聴き取り調査の対象になっていない。調査報告書では、聴取した議員の名前は公開したが、それぞれの議員がいくらの裏金や中抜き金を入手していたかは明らかにしていない。

報告書に書かれていない部分に重要な問題が隠されている。自民党「安倍派」や「二階派」が隠したいものは何か。(「下」に続く)

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ジャーナリスト、テレビコメンテーター。立憲民主党所属の元参議院議員(2期)。出版社に勤務後、フリージャーナリストとして「朝日ジャーナル」「週刊文春」など霊感商法批判、統一教会報道の記事を手掛ける。1995年から2007年まで、日本テレビ「ザ・ワイド」に12年間レギュラー出演。2010年には民主党から立候補、参議院議員となり、北朝鮮拉致問題、差別、ヘイトスピーチ問題などに取り組む。「北朝鮮 拉致問題 極秘文書から見える真実」(集英社新書)、「改訂新版 統一教会とは何か」(大月書店)など、著書多数。

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