朝鮮中央テレビの女子アナの声で脳内再生されそう。北朝鮮の新聞が「素敵で恍惚として雄大で美しい首都」の美辞麗句とともに公開した平壌の写真

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慢性的な食糧不足に瀕しているとされる国民を顧みることなく、核・ミサイル開発に邁進する北朝鮮。そんな北朝鮮の「労働新聞」が4日、先進国と見紛うほどの首都・平壌の写真を公開しました。その狙いはどこにあるのでしょうか。今回のメルマガ『宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ「中朝国境から朝鮮半島を管見する!」』では國學院大學栃木短期大学兼任講師の宮塚寿美子さんが、新聞記事の内容を翻訳した上で紹介。電力不足も深刻な北朝鮮にあって、光り輝く平壌の夜景を掲載した同紙の意図を考察しています。

※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題「北朝鮮の労働新聞が煌びやかに輝く平壌の写真を公開」

※本記事は有料メルマガ『宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ「中朝国境から朝鮮半島を管見する!」』2024年3月5日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

すべてが金正恩の輝ける業績。北朝鮮の新聞が公開したきらびやかな平壌の写真

2024年3月4日付の北朝鮮の朝鮮労働党機関紙の労働新聞は、「偉大な金正恩時代に毎年天地開闢されるわが首都平壌」の記事とともに、煌びやかに輝く夜景など、華やかな平壌の写真を16枚掲載した。平壌(ピョンヤン)にある記念碑的建築物にスポットライトを当て、金正恩労働党総書記の業績と愛民精神を浮き彫りにした。

同紙は「新しい平壌繁栄期は総秘書同志の奥深い思索と情熱、大きな労苦の結晶」と強調した。同紙は、平壌が「巨大な戦変の新しい歴史が繰り広げられるわが祖国の強勇な気性を込めて載せ、日々新しい姿で雄大に変貌する革命の首都」とし、「敬愛する総秘書同志(金正恩国務委員長)の賢明な領導が浮び上がった新しい平壌繁栄期の生き生きとした画幅」と明らかにした。

また同紙は、金総書記が「最近、平壌市の街づくりが新しくなり、住宅や公共建物、文化厚生施設をはじめとする現代的な建築物が多く浮上し、首都の面貌が見違えるほど変わった」と称賛する言及も伝えた。

同紙は「実に素敵で恍惚として雄大で美しい首都平壌」とし「銀河科学者通り、柳京園、人民野外スケート場、文殊水遊び場、玉流児童病院、科学技術殿堂、未来科学者通り、黎明通り…挙げてみようと言ってもその数は数え切れないし、眺めてみようと言っても目が遠くなる」と感激の口調を続けた。

朝鮮中央動物園(朝鮮労働党機関紙『労働新聞』公式サイトより)

朝鮮中央動物園(朝鮮労働党機関紙『労働新聞』公式サイトより)

同紙の同日の1面の社説で、今年が2021年第8回党大会で定めた5ヵ年計画の4番目の年であり、目標達成の鍵的な年だと強調したりもした。

慢性的に電気不足が深刻な北朝鮮で、このように華やかに輝く平壌の夜景写真と発展ぶりに感激する口調の記事を掲載したのは、住民に希望を示し強調しながら、党が下達した生産目標の達成を督励しようとする意図がうかがえる。

(國學院大學栃木短期大學兼任講師 宮塚寿美子)

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元山梨学院大学教授の宮塚利雄が、甲府に立ち上げた宮塚コリア研究所から送るメールマガジンです。北朝鮮情勢を中心にアジア全般を含めた情勢分析を独特の切り口で披露します。また朝鮮半島と日本の関わりや話題についてもゼミ、そして雑感もふくめ展開していきます。テレビなどのメディアでは決して話せないマル秘情報もお届けします。長年の研究対象である焼肉やパチンコだけではなく、ディープな在日朝鮮・韓国社会についての見識や朝鮮総連と民団のイロハなどについても語ります。

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