先ほどここが人生の岐路と書いたんですが、成長するためには経験値に頼るのではなく、それを敷衍する理論や理屈を手に入れる必要があるんです。社会人が勉強する理由はここにあるんです。経験したことを、抽象概念に置き換える、特定の事例に留めるのではなく、普遍化した理屈に落とし込む必要があるわけです。そうするための知識の抽斗を増やす作業が勉強なんです。
この作業を地道に積み重ねることができる人は、40代以降急激に成長しますね。知識と知識がお互いに絡み合って解釈の幅が広がり、それによって未体験のことに対しても正しい方向での解決策、対応策を考えることができるからです。40代以降に求められるのは経験をベースにした行動指針ではありません。特に現代のような変化が激しく、大きな時代には、経験値をベースに物事を考えると極端に打率が下がってしまうんです。それはかつての常識が通用しないということでもあります。
だから歳を取って経験値が増えるほど、そこに依存するのではなく、新しい知識や概念を仕入れるということをやらなきゃならないんです。
image by: Shutterstock.com
ページ: 1 2