統一教会を“門前払い”の東京地裁。有田芳生氏に「スラップ訴訟」を起こしたカルト教団の自業自得

 

統一教会「勝てるものを選んで訴えた」の戯言

判決文には「争点」が4点示されている。

  1. 本件発言の名誉毀損としての違法性の有無
  2. 本件発言についての被告会社の不法行為責任の有無
  3. 原告の損害
  4. 被告らによる名誉毀損回復措置の要否

判決文は、原告と被告の主張を述べていく。裁判官は番組のテーマが萩生田光一議員と教団が関係を断つことであり、問題とされた発言はたった8秒であり一般視聴者の印象に残るものではないと判断した。

「本件発言により、原告の社会的評価が低下したとはいえないから、本件発言に名誉毀損としての違法性は認められない」。「結論」は「原告の請求はその余の点について判断するまでもなくいずれも理由がないから、これらを棄却することとして、主文のとおり判決する」。

4つの争点の最初で違法性がないから、それ以外は「判断するまでもない」という構成になっている。裁判官は1,000ページを超える証拠を見たうえで、統一教会の悪質性、組織性、継続性を認識したうえで、門前払いしたのだ。そもそも訴える必要もない裁判を提起したこと自体が教団の悪質性の証明である。

教団の福本修也弁護士は、記者会見で「勝てるものを選んで訴えた」と語っていた。ところが統一教会は、八代裁判、本村裁判、有田裁判、紀藤裁判と4連敗だ。教団内部でも「訴えるべきではなかった」との声が多かった。統一教会は裁判闘争に進んだことで、自らの首を絞めることになった。

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image by: Sun Myung Moon, CC BY-SA 4.0, ウィキメディア・コモンズ経由で

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ジャーナリスト、テレビコメンテーター。立憲民主党所属の元参議院議員(2期)。出版社に勤務後、フリージャーナリストとして「朝日ジャーナル」「週刊文春」など霊感商法批判、統一教会報道の記事を手掛ける。1995年から2007年まで、日本テレビ「ザ・ワイド」に12年間レギュラー出演。2010年には民主党から立候補、参議院議員となり、北朝鮮拉致問題、差別、ヘイトスピーチ問題などに取り組む。「北朝鮮 拉致問題 極秘文書から見える真実」(集英社新書)、「改訂新版 統一教会とは何か」(大月書店)など、著書多数。

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