期待するだけ無駄?「提案してこない店長」は何ができていないのか?

 

では、なぜ、トンチンカンな商品が提案されるのか?

それは、自店のコンセプトを理解しておらず、自店にあう商品自体が何なのかが全く分からないというのが一番の原因です。

例えば、先ほどの「生姜焼き」の例でいえば、提案してきた彼は、悪びれたことなく、「美味しいからいいじゃないですか?」と言ってくるのです。それぐらい、店のコンセプトにあった商品を開発することの重要性を全く理解できていないのです。

ですから、「商品開発の考え方、やり方自体を、まず、教えてあげないと、考えることするできない」のです。

また、今は、スマホで探せば、溢れるほどの商品レシピがあります。極端に言えば、自店に合う商品さえある程度分かっていれば、スマホで探して、それをそのまま活用してもいいぐらいなのです。しかし、こういったことも「考えられない」ことも、提案できない理由のひとつでもあるのです。

もちろん、これは社員さん自体の勉強不足というのが一番の原因ではあるのですが、そういった知識がないのに、あるいは、勉強をさせていないいのに、「商品を考えろ」という方が無理があるのです。

なので、社員さんに商品開発に限らず、色々な提案(接客や販促、アルバイト指導など)を求めることが多いかと思いますが、まずは、「考え方」の知識をしっかりと教育することから始めなければならないのです。

先ほどの商品開発の例で言えば、商品開発の手順について皆で勉強会を開いたり、考え方のフローをフォーマット化し、それに基づいて考えさせることもひとつでしょう。

このように、いきなり”いい提案”を求めるのではなく、まずは、「考え方」を教え、そして、「考えること」と「考える手順」を強制し、これである程度できるようになってから、自主的に提案してもらうことを求める方がいいでしょう。

あと、仕事のできない人ほど、自分勝手に仕事を進めがちです。

また、イマイチ成長できない、伸びない会社ほど、”社員に任せっぱなし”であることが多いように感じています。

報連相も少なく、上司のチェックも弱い。仮に、部下が上司に確認を求めても、何もコメントがなく、聞いても意味がないから、自分たちで勝手に進める。一般的な会社では考えられないことがよく起きています。

だから、結果がでないとも言えるでしょう。

なので、「正しい考え方」や「正しい仕事の進め方」を社内で共有することも、会社が前に進むためには、また、成果をだすためにも非常に大切なことなのです。期限を守ったり、上司に確認を取りながら、あるいは、相談しながら仕事を進めることの大切さをぜひ社内で共有いただきたいな、と思います。

image by: Shutterstock.com

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