43兆円をカツアゲされた岸田首相の卑屈な言い訳
これは多くの人が覚えていると思いますが、年が明けて2023年の通常国会では、この閣議決定について野党から厳しい質疑が続きました。
特に問題視されたのが「敵基地攻撃能力」と「43兆円の財源」でしたが、それと同時に「43兆円の根拠」についても追及されました。
普通は、戦闘機が何機必要で何兆円、何々がいくつ必要で何兆円……というように、必要なものを積み上げて行って総額を出すのが予算のはずなのに、この43兆円は「防衛費の大幅増額ありき」で決められた数字で、内容はウヤムヤでした。
岸田首相は相変わらず、毎度おなじみの「検討する」「議論が必要」などのセリフでのらりくらりと逃げ続けたのです。
しかし、この「43兆円」の謎は、思わぬ出来事から氷解しました。
岸田首相と同じく支持率の低迷に悩んでいたバイデン大統領が、2023年6月20日、カリフォルニア州で開催した支持者向けの講演会で、次のように自分の成果をアピールしたのです。
「日本は防衛費を大幅に増額したが、これは私が日本の首相と三度も会い、彼を説得した成果だ。NATOは参加国にGDP比2%の防衛費確保を求めている。日本はNATO非加盟国だが、これまで欧州の戦争に無関心だった日本が、今回の戦争(ロシアのウクライナ侵攻)には関心を持っているので、私は防衛費の増額に日本も巻き込めると考えた。日本がウクライナへの支援を強化したのも、私の働きかけによるものだ」
このバイデン大統領の発言が報じられると、当然のことながら日本では「アメリカに命令されて防衛費を増額するのか!」という声が巻き起こり、秋葉剛男国家安全保障局長が「それは事実誤認だ」と、ジェイク・サリバン国家安全保障担当大統領補佐官に申し入れを行なうという茶番劇に発展しました。
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