医師ストライキによる医療崩壊の韓国で、ようやく見えた“修復の兆し”

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韓国でのストライキによる医療崩壊ですが、ようやく「修復の兆し」を見せ始めたようです。無料メルマガ『キムチパワー』の著者で韓国在住歴30年を超え教育関係の仕事に従事している日本人著者が、今回の記事で最新の情報を伝えています。

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韓国政府は19日、医科大学の増員分を割り当てられた国立大学が、大学別増員分の50~100%の範囲内で自律的に2025学年度の新入生を募集できるようにしてほしいという国立大学総長らの建議を受け入れるという意思を明らかにした。

これは既存の「医学部定員2000人増員」方針に固執しないという宣言で、解決の兆しを見せずにきた医学部定員増員論難が転換点を迎えることになるか注目される。

ハン・ドクス首相はこの日の午後、ソウル鍾路区の政府ソウル庁舎で中央災難安全対策本部会議を終えた後、特別ブリーフィングを通じて「医大生を積極的に保護し、医大教育が正常化し、医療現場の葛藤を解決していく一つの糸口を用意しようと決断した」とし、「政府は国立大学総長らの建議を前向きに受け入れる」と明らかにした。

ハン総理は「大学別教育条件を考慮して今年に医大定員が拡大した32の大学の中で希望する場合、増員された人員の50%以上100%範囲内で2025学年度に限り新入生を自律的に募集できるよう許容する」と説明した。

続けて「各大学は2025学年度大学入試選考施行計画を変更し、許容された範囲内で自律的に募集人員を4月末までに決める」と話した。これは江原(カンウォン)大学、慶北(キョンブク)大学、慶尚(キョンサン)国立大学、忠南(チュンナム)大学、忠北(チュンブク)大学、済州(チェジュ)大学の6校の非首都圏国立大学総長らが前日建議した内容をそのまま受け入れたものとなる。

ハン首相は「医学生を積極的に保護し、医学部教育が正常化し、医療現場の葛藤を解決していく一つの糸口を作ろうと決断した」とし、「政府は国立大学総長らの建議を前向きに受け入れる」と述べた。また、「政府は医療界の単一化された代案提示が難しい状況で、医療空白による被害をそのまま放置することはできず、問題解決を促す国民と患者の要求を重く受け止め、果敢な決断が必要だと判断した」と述べた。

ハン総理は続けて「2025学年度入試日程まであまり残っていないので予備受験生と保護者の方々の不安を最小化しなければならないという点と医大学事日程の正常化が非常に至急だという点も共に考慮した」と説明した。

ハン首相は医療界に向けては「今回の決断には医療界と開かれた心でどんなテーマでも対話するという政府の意志が込められている」と繰り返し、対話に応じるよう促した。

ユン・ソンヨルの頑固が多少後退した格好となったわけだが、結局は「自律」に任せるとなるんだったらなんではじめからもう少し頑固を抑えて相手方(医療界)のことを慮ったらよかったんじゃないのと思う。医療界の自己中心には辟易しながらも国の医療がめちゃくちゃになってからでは遅いのだから。まだ完全に来年度の医学生の枠組みが決定したわけではないけれど、受験生らの心の準備および勉学の準備はできるようになったかと思われる。

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韓国暮らし4分1世紀オーバー。そんな筆者のエッセイ+韓国語講座。折々のエッセイに加えて、韓国語の勉強もやってます。韓国語の勉強のほうは、面白い漢字語とか独特な韓国語などをモチーフにやさしく解説しております。発酵食品「キムチ」にあやかりキムチパワーと名づけました。熟成した文章をお届けしたいと考えております。

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