来たぞ1ドル160円…からの155円。円安&相場乱高下の「真犯人」は?「日本通貨危機っぽい雰囲気」はあくまでも雰囲気だけ(馬渕治好氏)

 

トリプル安

「理解の種~世界経済・市場の用語などの解説」より
トリプル安は、ある国について、その国の株式も債券も売り込まれて、それがその国も通貨も安くする、といった、株安、債券安、通貨安の3つが進行することです。このように、株式や債券が売られて、その国から資本が逃げることで、通貨が安くなることがありえますし、通貨が安くなることにより、投資家がその国から資本を逃がそうとして、株式や債券の売却につながる、という形もありえます。

過去のトリプル安の事例で大規模なものとして、1997年のアジア通貨危機がありました。この時は、東南アジア諸国の株式や債券からの資金逃避というより、短期資金(短期的な貸付け等)の逃避が主因ではありましたが。

日本でアジア通貨危機と同様のことが起こるとは全く予想していませんが、足元の円安が急激に進み、それが一時的にでもトリプル安となる局面を生じると、何となく「日本通貨危機っぽい」雰囲気(あくまでも雰囲気)を醸し出し、海外投資家の日本株売りや債券売りを引き起こす展開に陥ることは、否定はできません。

ただ、日本は実際には対外純資産を有しており、他国からの資金流入に頼らなければいけない状態ではありませんので、本当の危機に陥ることは懸念する必要はありません。ただ、短期的に「危機っぽい」相場付きが生じることがあるかもしれない、という意味合いです。

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