3.25年以上の年金記録のある年金受給者
■ 昭和19年4月7日生まれのA夫さん(令和6年に79歳)
● 1度マスターしてしまうと便利!(令和6年版)何年生まれ→何歳かを瞬時に判断する方法
● 絶対マスターしておきたい年金加入月数の数え方(令和6年版)
15歳年度末の翌月である昭和35年4月からから昭和57年3月までの264ヶ月は厚生年金に加入する。この間の平均標準報酬月額は40万円とします(老齢基礎年金に反映するのは国民年金が始まった昭和36年4月以降で、20歳になる昭和39年4月から昭和57年3月までの216ヶ月)。
退職し、昭和57年4月からは国民年金に加入しなければならないのですが、A夫さんは20年以上の厚生年金期間があったので国民年金には強制加入とはなりませんでした。
昭和57年4月から昭和61年3月までの48ヶ月間は国民年金に任意加入できたものの、任意加入せず(カラ期間になります)。
この48ヶ月は専業主婦等の妻がいた場合は妻も「20年以上の厚年期間を持つ夫の妻」としてカラ期間となります(通常は夫が厚年加入中のサラリーマンの期間に専業主婦の場合にカラ期間になりますが、こういうのもカラ期間になる)。
昭和61年4月からは年金法が新しくなり、60歳までは全ての人が国民年金の被保険者として保険料を納める義務が生じる事となりました。
強制加入となり、昭和61年4月から平成5年8月までの89ヶ月間は国民年金保険料を全額免除(老齢基礎年金の3分の1に反映)。
平成5年9月から平成17年3月までの139ヶ月間は厚生年金に加入。平成5年9月から平成15年3月までの115ヶ月の平均標準報酬月額は35万円とし、平成15年4月からは賞与も年金額に含む事になり平成17年3月までの24ヶ月の平均標準報酬額は43万円とします(老齢基礎年金に反映するのは平成5年9月から60歳前月である平成16年3月までの127ヶ月)。
先にA夫さんの年金記録をまとめます。
- 厚年期間→264ヶ月(昭和39年4月から昭和57年3月までの216ヶ月は老齢基礎年金に反映)
- カラ期間→48ヶ月
- 全額免除→89ヶ月(平成21年3月までの場合は老齢基礎年金の3分の1に反映)
- 厚年期間→139ヶ月(平成5年9月から平成16年3月までの127ヶ月が老齢基礎年金に反映)
A夫さんは1年以上の厚年期間があり、全体で540ヶ月もあるので最低でも必要な年金受給資格期間25年以上(300ヶ月以上)を満たしているため生年月日としては60歳(平成16年4月)から厚生年金の受給権が発生します(25年から10年に短縮されたのは平成29年8月から)。
60歳からの老齢厚生年金の計算は割愛し、65歳以降受給している老齢の年金を計算します。
- 65歳からの老齢基礎年金→813,700円(令和6年度満額。令和5年度に68歳以上だった人)÷480ヶ月×(厚年216ヶ月+127ヶ月+全額免除89ヶ月÷3)=813,700円÷480ヶ月×372.667ヶ月(小数点3位まで)=631,748円
- 老齢厚生年金(報酬比例部分)→40万円×7.334(生年月日による乗率。昭和21年4月1日以前生まれの人は乗率が違うので注意)÷1,000×264ヶ月+35万円×7.334÷1,000×115ヶ月+43万円×5.642÷1,000×24ヶ月=774,470円+295,194円+58,225円=1,127,889円
- 老齢厚生年金(差額加算)→1,696円(令和6年度定額単価。令和5年度に68歳以上だった人)×1.065(生年月日による乗率。昭和21年4月1日までの生まれの人は乗率が異なる)×厚年期間403ヶ月-813,700円÷480ヶ月×(昭和36年4月以降で20歳から60歳までの厚年期間→216ヶ月+127ヶ月)=727,915円-581,456円=146,459円
よって、65歳からは老齢厚生年金(報酬比例部分1,127,889円+差額加算146,459円)+老齢基礎年金631,748円=1,906,096円(月額158,841円)
なお、配偶者加給年金は令和6年度現在はすでに妻が65歳を超えて消滅したものとします。妻は昭和32年9月生まれの令和6年に67歳とします。
この記事の著者・hirokiさんのメルマガ