最も多いケースは「不安」の意外。瞑想の“副作用”に関する調査を実施した結果…

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忙しない日々を過ごす人たちの中に、ヨガなど「瞑想」を取り入れる人が増えているそうです。特に欧米では、教室に通いさまざまなメディテーションを実践する人が多いと耳にします。しかし、期待している効果とは真逆とも言える「副作用」を感じる人もいるのだとか。今回のもりさわメンタルクリニックの無料メルマガ『精神医学論文マガジン』では、瞑想の副作用に関して調査した欧米での研究結果を紹介。実践方法で頻度も程度も差があるものの、「副作用」の可能性を考え、自分に合う方法を見極めた方がいいと伝えています。

瞑想の副作用について

◎要約:『瞑想で不安などの副作用が出現することもあるが、実践の方法によっても頻度に差があり、出現したとしても多くは一時的で軽度である』

マインドフルネスやボディ・アウェアネス(身体意識)を重視する方法等、方法として瞑想を取り入れている実践が多く存在します。今回は、瞑想の副作用について調べた研究をご紹介します。

求めていない影響:瞑想には悪影響があるか?
Unwanted effects: Is there a negative side of meditation? A multicentre survey

英語、スペイン語、ポルトガル語を含む多くのウェブサイトで、瞑想についての調査を行い、342人の参加がありましたが、今回の調査では副作用について報告した87人が分析の対象となりました。

実践のタイプとして、ボディ・スキャン(身体感覚重視)、フォーカス・アテンション(注意集中)、オープン・モニタリング(リラックスした観察)、マントラ(呪文や言葉用いた方法)、ヨガなどが含まれ、副作用についての報告がまとめられました。
結果として、以下の内容が示されました。

  • 参加者のうち、25.4%に副作用を認め、その程度は様々でした。
  • 副作用の症状として不安、疼痛、現実感低下、軽躁、情動変化、視覚焦点の問題、覚醒度の低下、めまい等がありました(最も多かったのは不安で13.8%)。
  • 副作用はほとんどは一時的で、瞑想をやめるほどではなく、医療の援助は必要ないものでした。
  • 副作用を体験する場合で比較的多い条件は、フォーカス・アテンション(注意集中)、20分以上、単独での実践でした。

単独での実践には軽度の副作用も考えられるので、短時間から、自分に合うか見極めながら行うか、指導を受けながら行うほうが、より安全と言えるかもしれません。

image by: Hlib Shabashnyi / shutterstock.com

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