大きなプロジェクトはコストが膨らみ、リターンが少なくなりがちです。そんなビッグプロジェクトを成功させた人たちは何をしたのでしょうか? 今回、無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』の著者である土井英司さんが、“どデカいこと”を成し遂げた人たちの成功談について書かれた一冊を紹介しています。
【傑作。】⇒『BIG THINGS どデカいことを成し遂げたヤツらはなにをしたのか?』

『BIG THINGS どデカいことを成し遂げたヤツらはなにをしたのか?』
ベント・フリウビヤ、ダン・ガードナー・著 櫻井祐子・訳 サンマーク出版
こんにちは、土井英司です。
本日ご紹介する一冊は、メガプロジェクトにおける世界の第一人者(KPMGによる)、ベント・フリウビヤ氏と、『リスクにあなたは騙される』『専門家の予測はサルにも劣る』の著者、ダン・ガードナー氏の共著による、プロジェクト成功のための論考。
ビッグプロジェクトというと、東京オリンピックや大阪万博を見ればわかるように、コストが当初の予算よりも大きく膨らみ、リターンは大体小さくなるもの。
本書によると、ビッグプロジェクトについては、以下のことがわかっているようです。
まあ、そうですよね。
「1910年から1998年までに実施されたプロジェクトのコスト見積もりは、最終コストを平均28%も下回っていた」(つまり最終コストは見積もりを大きく上回った)
「予算内・工期内に完了するプロジェクトは、全体の8.5%に過ぎない」
「予算・工期・便益の3点ともクリアするプロジェクトは、わずか0.5%」
本書では、99.5%の惨めな結果に終わったプロジェクトと、驚くほど早く終わったにも関わらず、後に絶賛された、ニューヨークのエンパイア・ステート・ビル、グッゲンハイム・ビルバオ、著者が関わったネパールの学校建設事業との違いを、丁寧に論じています。
政治の問題や行動科学的な問題、プロジェクトで陥りやすい思考と行動の罠を解説しており、これはビジネスパーソン必読の一冊だと思いました。
ちなみに、ビッグプロジェクトを成功させるキーワードは、以下の通りです。
・ゆっくり考え、すばやく動く
・「根本」を明確にする
・フローチャートを「逆」から埋める
・「試作品」で完成しておく
・プロセスを「シンプル」に保つ
・「中断」が起きない段取りにする
・小さいもので大きいものをつくる(モジュール性)
最初から最後まで、頷きっぱなしの良い本でした。








