99.5%は惨めな結果。ビッグプロジェクト「0.5%の成功者」は何をしたのか?

 

さっそく、気になるポイントを赤ペンチェックしてみましょう。

「建築家は、どの長さの梁が何本必要になるか、鋲やネジが何個必要になるかを、現場作業が始まる前に正確に知っていた。エンパイア・ステート・ビルに窓が何個取りつけられるか、石灰岩のブロックが何個使われるか、アルミとスチール、セメント、モルタルが何トン必要になるかを知っていた。作業が始まる前から、エンパイア・ステートは図面上で完成していたのである」

圧倒的な高さと伝統的な効率性。そしてラムが効率を最優先したにもかかわらず、ビルはまごうことなく美しかった。(中略)エンパイア・ステート・ビルの建設費用は5000万ドルと見積もられた。実際の総工費は4100万ドル(2021年の6億7900万ドルに相当)と、予算を17%、2021年の金額で1億4100万ドルも下回った。建設が完了したのは開業式の数週間前である

ゆっくり考え、すばやく動く

失敗するプロジェクトはズルズル長引きがちだが、成功するプロジェクトはスイスイ進んで完了する。なぜだろう? プロジェクトを「開いた窓」と考えるとわかりやすい。期間が長くなればなるほど、窓は大きく開く。そして窓が大きく開けば開くほど、大きく邪悪なブラックスワンが窓から飛び込んできてトラブルを起こすリスクも増大する

人は慎重に考えるより早く1つに決めたい--固定化への心理

ベストケース・シナリオを予測の基準にするのは、大きな間違い

目的がくっきり頭にあれば間違った道具は取らない

目的を見失うと「顧客」が消える

「試作品」で完成しておく

何かで「最初」になりたいという野望は、経験を軽視してしまうもう1つの原因である

モノに眠った「経験」を利用する

(エンパイア・ステート・ビルでは)各階の設計も可能な限り同一にした。おかげで作業員は同じ作業の反復を通じて学習することができた。つまり、作業員は102階建てのビルを1個建設したのではなく、1階建てのビルを102個建設したのだ

巨大だと「完成」するまでお金を生まない

「小さいもので大きいものをつくる」という優美なアイデアを表す無骨な用語が、「モジュール性」だ。1つのレゴブロックは小さいが、9000個以上集まれば史上最大級のレゴセット、「コロッセオ」になる

ちょうど家の浴室や駐車場のリフォーム、明日のDXセミナーの骨子などを考えていたところだったので、とても勉強になりました。

読者が将来、どんなプロジェクトに関わることになっても、きっと役立つポイントが満載です。

文章も読みやすく、ウィットに富んでいるので、読書体験としてもなかなか良いのではないでしょうか。

ぜひ、読んでみてください。

image by: Shutterstock.com

土井英司この著者の記事一覧

Amazon.co.j立ち上げに参画した元バイヤー、元読売新聞コラムニスト、元B11「ベストセラーBookV」レギュラーコメンテーター、元ラジオNIKKEIレギュラー。現在は、ビジネス書評家、著者、講演家、コンサルタントとして活動中の土井英司が、旬のビジネス書の儲かる「読みどころ」をピンポイント紹介。毎日発行、開始から既に4000号を超える殿堂入りメルマガです。テーマ:「出版/自分ブランド/独立・起業」

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン 』

【著者】 土井英司 【発行周期】 日刊

print
いま読まれてます

  • 99.5%は惨めな結果。ビッグプロジェクト「0.5%の成功者」は何をしたのか?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け