安倍氏“暗殺”から2年。何ひとつ解明されていない自民党と統一教会「闇の本質」を有田芳生氏が斬る

th20240531
 

2022年7月8日に発生し、日本中に大きな衝撃を与えた安倍元首相銃撃事件。間もなく2年が経とうとしていますが、この事件により可視化され徹底追求が喫緊の課題とされた自民党と旧統一教会の癒着関係は、どこまで究明されたのでしょうか。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』では、旧統一教会と長きに渡り対峙してきたジャーナリストの有田芳生さんが「特別寄稿」という形で、安倍氏暗殺から今日に至るまでの報道内容について検証。さらに岸田政権の旧統一教会問題への取り組み方について批判的な目を向けています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:「安倍暗殺」から2年で自民党と統一教会の抱合の闇はどこまで解明されたのか?/有田芳生=前参議院議員の寄稿

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

「安倍暗殺」から2年で自民党と統一教会の抱合の闇はどこまで解明されたのか?/有田芳生=前参議院議員の寄稿

安倍晋三元首相の暗殺をきっかけに、統一教会の自民党組織への浸透による両者の抱合・癒着関係に改めてスポットライトが当たり、以後、政府は同教会に対する質問権を行使した挙句、昨年10月には宗教法人としての「解散命令」を請求し、東京地裁での審理が始まっている。これを通じて統一教会をめぐる闇は一体どこまで解明されたのか。この問題を最も長く深く追究してきた1人である有田芳生=前衆議院議員に寄稿をお願いした。(高野孟)

有田芳生氏が抱いた「安倍暗殺」からの2年間の報道への違和感

2022年7月8日に安倍晋三元総理が暗殺されてからもうすぐ2年になる。銃撃犯の動機が統一教会がらみ(母親の入信、多額の献金で家庭崩壊)だったことで、一挙に教団が問題になった。安倍総理だけでなく、多くの自民党議員が統一教会と関係していたことが新聞、テレビ、週刊誌などで批判された。東京地裁では文科省から出された教団への解散命令について一度だけ審問が行われたが、非公開なので実態は報道されない。それぞれは重要な論点であり、問題だ。このたび『誰も書かなかった統一教会』(集英社新書)を私が書いたのは、この2年間の報道が、40年ほど見つめてきた教団の姿のごく一部に過ぎないことに違和感を覚えていたからだ。

たとえば教団が国会議員秘書に信者を送り込んできた目的は何か。「勝共」=「反共」の旗を掲げながら北朝鮮に接近し、文鮮明教祖が金日成主席と会談した意図は何か。1987年5月3日の憲法記念日に朝日新聞阪神支局が襲撃され、記者が死傷した「赤報隊事件」に教団信者たちがなぜ捜査対象になったのかなどなどである。

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