誰がウソをついているのか。横田めぐみさんの「歯」に関する発言を「救う会」会長が慌てて取り消したウラ事情

ay20240610
 

先日掲載の記事でもお伝えした、北朝鮮から日本政府に提供された「骨壺」内に横田めぐみさんの「歯」が含まれていたという情報。このめぐみさんのものと見られる歯をめぐり、新たな騒動が巻き起こっていました。今回のメルマガ『有田芳生の「酔醒漫録」』では北朝鮮の拉致問題と真正面から対峙してきたジャーナリストの有田芳生さんが、「救う会」会長が集会で口にしためぐみさんの歯に関する発言を大慌てで訂正した理由を詳しく紹介しています。

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※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/メルマガ原題:日朝首脳会談は実現するのか 横田めぐみさんの「歯」をめぐる大混乱(中)

慌てて発言を取り消した謎。「横田めぐみさんの歯」をめぐり起きていた新たな騒動

日朝首脳会談は実現するのか 横田めぐみさんの「歯」をめぐる大混乱(中)

北朝鮮が日本政府との接触さえ拒否したにも関わらず、岸田文雄総理は政権浮揚の目的で、いまだ今夏の首脳会談を諦めていない。

6月6日から7日にモンゴル外務省で行われた「北東アジアの安全保障問題」を議論する「ウランバートル対話」に外務省から北東アジア課第2課長(北朝鮮に関する外交を担当)と大使館員が参加した。昨年と同じく北朝鮮からの出席はなかった。岸田総理は、もし北朝鮮からの参加があれば局長級の派遣を予定していた。その思惑が外れたため、岸田総理は8月にモンゴルを訪問する計画を立てている。北朝鮮との関係が深いウフナーギーン・フレルスフ大統領に仲介を依頼し、できればモンゴル在住の朝鮮労働党関係者と日本の実務者との接触を図りたいのだ。

裏金問題などで低下した支持率から劇的に回復を実現するための日朝首脳会談カードだが、2回目の小泉訪朝から20年間、首脳会談が行われなかった歴史を振り返っても、あまりに認識が甘い。アメリカや韓国に拉致問題の解決への協力を依頼しても、実際には何の動きもなかった。こんどはモンゴルだ。最大の問題は岸田政権が政策的変更を行うしかないのだが、その課題と現状については次号で詳述する。

横田めぐみさんの「歯」が関係者の間で波紋を呼んでいる。2004年に北朝鮮から日本政府に渡された「骨壷」に焼かれた骨といっしょに歯が入っていたという問題だ。これは日本テレビの福澤真由美さんが『北朝鮮拉致問題の解決』(岩波書店)に書き、『毎日新聞』が報じたので広く知られることになった。拉致問題解決に取り組む「家族会」「救う会」は、日本テレビの取材を拒否、福澤証言を公開するのを日本テレビが認めたのかを問うたという。

混乱したのは西岡力「救う会」会長だった。5月30日夜に文京区民センターで行った集会で、約40分にわたり横田めぐみさんの「歯」などの報道について批判的に発言した。西岡会長自身は「歯のことは知らなかった」という。そのうえで横田早紀江さんに電話したときの会話を次のように詳細に語った。

早紀江さんに電話したら、「歯があったことは最初から聞いてました。でも、それは死亡の証拠と何の関係もないので、あらためて説明したいと言われましたけど、いらないと言ったんです。めぐみはたくさん虫歯が多かったんですからね」。

私もいろいろ取材しましたが、まず、歯が入っていたことはどうも事実のようです。入ってていいわけですから。それはめぐみさんだと断定出来るような情報はない。めぐみさんは虫歯が多かったから、出てきたカルテの中に歯の治療の情報があったんです。早紀江さんは「それはそうでしょう」と、「日本にいたときから虫歯がたくさんありました」と。虫歯の治療でもし歯の1本を抜いたとしたって、いつの間にか遺骨の中に入っていただけのことで、死んだ証拠でもなんでもならないし、その歯がめぐみさんのものだと証明されていない、というのは、私が取材で聞きました。

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