自民党との「ステルス選挙戦」でも勝算は見えず
選挙に対する小池氏の自信が揺らぎ始めたのを見透かすかのように蓮舫氏が立ち上がり、与野党対決の構図に持ち込もうとしている。
小池氏は、自民党の推薦を受けずに戦う方策を考え始めた。
岸田首相ら自民党の大物議員には応援に入ってほしくない。だけど、自民党都連の議員たちにはしっかり動いて票をまとめてもらいたい。
小池氏にとっては都合のいいステルス作戦だ。
むろん、小池氏の勝利をもって選挙の連敗を食いとめた実績としたい自民党としてはやすやすとのめる話ではない。だいいち、そんな選挙戦で、実戦部隊の都議や区議らが本気でがんばれるだろうか。5月の静岡県知事選でもステルス作戦を用いたが、うまくいかなかったではないか。
学歴詐称疑惑。自民党への逆風。それに加えて小池氏の不安をかき立てるのは自公関係の悪化だ。公明党とは都議会で連携しており、出馬要請も受けている。安定した創価学会票を確保するためにも自公の協力関係は欠かせない。
ところが今国会、自公は政治資金規正法の改正案の中身をめぐって対立し、自民党が単独で改正案を提出する事態となった。
政治資金パーティー券購入者の公開基準額を現行の「20万円超」から「5万円超」に引き下げるよう求める公明党に対し、自民党は「5万円超」では収入が激減するとして「10万円超」を主張した。
しかし、公明党は譲らない。裏金自民党と「同じ穴のムジナ」と見られたくないのだ。