ただし、それだけでは旅館の繁栄までには至らず、もっと人を惹きつける何かを創造する必要があります。
しかし、旅館は家族経営。
有効な手段を考え出すには、“頭脳”の数が足りません。発想に限界があるのです。
そこで女将は、ユニークな方法を考えました。
『サポート女将』システムの構築。
日本全国から女性を募り、『サポート女将』として、旅館の運営を手助けしてもらうのです。
さまざまな業種の女性に、運営・集客・販促などのアイデアを出してもらいます。
オンラインミーティングを行い、イベントや新メニューをともに考えます。
現在9人の『サポート女将』がおり、いくつかの成果を上げています。
旅館経営に一般人を参加させる取り組みは珍しく、ビジネス界としても参考になるのではないでしょうか。
「日本一女将のいる宿」をキャッチフレーズに、頭脳集団として、旅館の将来を担っていくことになります。
また、女将は旅館だけではなく、温泉街全体の活性化にも取り組んでいます。
お客さまと地域の人が交流するツアーを実施したり、農業体験と食事会をしたり。
街に昔の賑わいを取り戻したいと願っています。
寂れた街を復活させるのは容易ではありませんが、諦めればそこで終わり。
小さな力でも、コツコツ積み重ねていけば、それは大きなうねりとなります。
やがて、活気ある温泉街が、そこに復活するかもしれません。
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