寂れた温泉旅館の女将が思い立った「サポート女将」システムが画期的すぎた!

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関西地方では珍しい「湯治」のできる温泉旅館。そんな貴重な1軒である宿の女将による「マーケティング」が話題となっています。今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』で、繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、その詳細を紹介しています。一体何がすごいのでしょうか?

自身も湯治をしながら、湯治場を守り続ける女将の奮闘!

和歌山県白浜町・椿温泉。

名湯白浜温泉に隣接しながらも、寂れてしまった小さな温泉街。

以前は20軒以上あった旅館も、いまは4軒を残すのみ。

街を歩く人も少なく、旅館の廃墟が刻の流れを物語っています。

その中の1軒が、「湯治のできる宿 しらさぎ」。

湯治(とうじ)とは、数週間に渡って温泉に浸かり、温泉の効能で身体の痛みなどを和らげ、回復させる、日本古来の療法です。

関東や東北では、湯治文化が根づいていますが、関西では珍しく、貴重な1軒だと言えます。

身体に問題を抱えている人にとっては、救世主のような存在となっています。

しかし、地元温泉街の衰退やコロナショックによって、危機的状況に。

廃業も視野に入ったものの、湯治客である常連さんの支援やクラウドファンディングの活用によって、持ちこたえることができました。

とは言え、安堵には程遠く、さまざまな方策を立て始めたところです。

その中心になっているのが、3代目女将。

旅館の子として生まれ、まわりからは将来の跡取りだと言われ、自身も疑うことなく、この道へ。

高校卒業後は東京のホテルに就職し、ホテル経営を学んで帰ってきました。

その後結婚し、夫も家業に入り、ともに旅館を盛り上げていくことに。

しかし、しばらくすると、病が女将を襲います。

難病「SLE」。

全身のさまざまな臓器に炎症や障害を起こす、自己免疫疾患です。

身体のあちらこちらが痛み、倦怠感もあり、毎日痛い場所が違っていたりします。

治るかどうかはわからず、痛さとつき合っていくしかありません。

辛い状況に置かれながらも、「湯治宿の女将として病気をしたことは、すごく意味がある」と、前向きに捉えています。

自身が病気であるが故に、湯治に来るお客さまのことが理解できるし、望むこともわかります。

お客さまの気持ちを汲んで、欲するサービスを提供できます。

そこには、信頼が生まれ、良いおつき合いが始まるのです。

湯治を必要とする者同士の繋がりです。

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