中国官営CCTVは、両首脳の防秋伊島の海辺散歩場面を繰り返し放映し、習主席の「ソフト外交」を浮き彫りにしたりもした。朝鮮中央通信によると、金正恩は中朝関係を「新しい全盛期」「切り離せない一つ」と表現し、習主席は「両国は運命共同体、変わらない順治の関係」と答えた。
このように朝中関係の完全な復元を象徴する首脳間の出会いが行われた場所で銅板が消え、展示室が閉鎖されたことについて両国間の異常気流が流れる兆候と見る見方もある。
実際、北朝鮮外務省は先月27日、韓日中首脳会議直後、中国までまとめて批判する談話を出すなど異例の態度を示した。北朝鮮は同日深夜には、軍事偵察衛星の打ち上げを強行した。金正恩が中国に対して露骨に不満を示したものと解釈できる。
これについて外交筋は「中朝国交正常化75周年を迎える年なのに、中国の態度が非常に厳しいと北朝鮮は見ているようだ」と伝えた。また、今年4月の全国人民代表大会(全人代)常務委員長の訪朝と関連し、「当時も序列3位が北を訪問したが、事実上贈り物はなかったため、北朝鮮の不満が大きかったと聞いている」と述べた。
中国が昨年11月の米中首脳会談で米国と衝突防止のための「ガードレール」構築に合意する一方、最近になって韓国と日本など米国の同盟国と関係管理に乗り出すのも金正恩としては焦りを募らせるに足る動きだ。中国は不法武器取引を軸とする朝露間の密着にもある程度は距離を置いている。
これは本質的に北朝鮮と中国が血盟であり伝統的な友好関係だが、韓米同盟のような価値同盟とは性格が違うためだという見方もある。党対党での交流を基盤に理念を共有しながらも、それぞれの利害によって関係の優先順位設定を変えてきたのが現実だ。
2013年3月の習主席就任直後、中国は北朝鮮よりも韓国に密着する姿を見せた。2016年の高高度ミサイル防衛システム(THAAD・サード)配備決定で韓中関係が急転直下したものの、その前までは習主席は前例を破って北朝鮮ではなく韓国を先に訪問したほどだった(2014年7月)。習主席と金正恩間の首脳会談は2018年、習主席の訪朝は2019年6月に初めて行われている。[中央日報参照]
image by: Shutterstock.com









