最悪の対応。北朝鮮「汚物風船」の報復に軍事放送を再開した韓国大統領は“世界の大局”が見えていない

 

プーチンが「熱望」する北朝鮮と韓国の戦争

韓国の対応はどうなのでしょうか?私は、「最悪」だと思います。

なぜでしょうか?

はじめにお断りしておきますが、私は「反北朝鮮」です。「拉致被害者」を返してほしいし、核で日本を挑発する北朝鮮の金王朝が「崩壊したらうれしい」と思っています。ですが、何をするにも「大局」を見て考える必要があります。

「大局」とは何でしょうか?

現在世界では、二つの大きな戦争が起こっています。すなわち、「ウクライナ―ロシア戦争」と「イスラエル―ハマス・イラン戦争」です。

アメリカは、ウクライナ支援とイスラエル支援で、「二正面作戦」になっている。こんな時に、「韓国―北朝鮮戦争」が起こったら、アメリカは韓国を守ることができるでしょうか?正直難しいでしょう。

だから韓国が、「汚物風船」を飛ばしてくる北朝鮮にすべきことは、「韓国から北朝鮮に風船を飛ばすのを止めること」なのです。たったそれだけです。ところが、韓国は、汚物風船に対して報復にでました。愚かです。

そして、ものすごく重要なことがあります。

ウクライナと戦っているプーチンは、北朝鮮と韓国の戦争を「熱望している」でしょう。なぜか?

アメリカは、ウクライナ、イスラエルを支援している。もしアメリカが、ウクライナ、イスラエル、韓国を支援することになれば、ウクライナの「取り分」は減ります。そうなると、ロシアが勝てる可能性は高まるでしょう。

そういえば、プーチンは、近々北朝鮮を訪問するそうです。その時に、「韓国攻めちゃいなよ!アメリカが動けない今がチャンスだぜ!」とそそのかすかもしれません。韓国の報復措置は、開戦のいい口実になります。

今のユン・ソンニョル大統領は、前任のムン・ジェインよりもかなりマシです。しかし、「世界の大局を見ていない」のは大問題です。

(無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』2024年6月17日号より一部抜粋)

image by:  朝鮮労働党機関紙『労働新聞』公式サイト

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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