中国IT大手のバイドゥが武漢で展開している自動運転タクシー「Apollo Go」。圧倒的な低料金で注目を集めている一方で、解決すべき問題も多々あるようです。日刊で中国の自動車業界情報を配信するメルマガ『CHINA CASE』は今回、そんなApollo Goを取り上げた記事を翻訳引用。同サービスが低料金以外に人気となっている理由や、現地ユーザーの忌憚のない評価を紹介しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:バイドゥ、自動運転タクシー10kmの料金がわずか80円で炎上中
バイドゥ、自動運転タクシー10kmの料金がわずか80円で炎上中
「急成長している」「道路状況を混乱に招き渋滞を深刻にしている」などなど、騒がしいバイドゥの湖北省武漢市における自動運転サービスプラットフォーム「ラディッシュ・プレジャー(Apollo Go)」にまた騒ぎが起きている。
すでに車内完全無人化、料金徴収を開始しているが、その価格が激安。10kmの距離の移動で料金わずか3.9元(約80円)。
あまりの安さにユーザーからは歓喜、業界からは既存のタクシー・配車への影響を懸念する声が上がっている。
どんなサービス?
2024年5月にバイドゥは武漢において1,000台規模の自動運転タクシー車両を投入、ユーザーはアプリから車両を呼び出し、車両が到着後に電話番号を入力するとドアが解錠する。
後席に座り備え付けられているディスプレイで「スタート」をタップすれば、目的地まで向かってくれる。
現時点で10kmあたり4~16元(約80~320円)の料金設定だが、現在の配車サービスではこれが18~30元(約360~600円)となる。
無人だからこその人気
現在、バイドゥの自動運転サービスは武漢において人気が高まっているという。
この料金に加えて、運転手との煩雑なやり取りが必要ないこと。
また、24時間サービス提供が可能なこと(とはいえ、現在は営業時間を設けている可能性はある)。
乗車拒否に遭うこともなく、中国で現在問題になっている配車内の悪臭問題とも無縁だ(運転手からの悪臭はなくなるが、前の客などからのものをどう処理しているかは不明)。
料金の規制対象外
中国でも配車・タクシーの料金には規制がある。
しかし今行われているバイドゥの自動運転サービスはその規制の対象外であり、市当局も「マーケットの反応によるものであろうし、規制はできない」としている。
バイドゥが急成長を狙った格安戦術に出ているのか、本当にこの金額でコストがペイできるのかは不明。
ただし、バイドゥは2024年末までに武漢における自動運転サービスの黒字転換を宣言している。
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