酒好きに朗報。お酒の「食道がんリスク」は“喫煙者だけ”の研究結果

 

喫煙の量を示す国際的な指標として、喫煙指数 Pack-yearsがあります。

Pack years=(1日の喫煙本数/20本)×喫煙年数

という計算法です。

すなわち「1日のタバコの箱数×年数」という意味です。1日1箱のタバコを20年間吸ったら、喫煙指数が20になります。私は、タバコを吸ったことがないので、喫煙指数は20未満というかゼロです。

ということは、結構お酒を呑んでいるけれど(1日当たり二合以上)、食道がんリスクはないという誠に有り難いご宣託ではありませんか。

なお、今日のお話はあくまでも「食道がん」にしぼったお話ですので誤解のないように御願いします。アルコールは食道がん以外にも他のがんなどのリスクとなることも努々お忘れ無く。それから、適量のアルコールという基本もあることをお忘れなく。あとは自己管理、自己責任でよろしくお願い申し上げます。

<アルコールの適量>
世界がん研究基金2007年の勧告では、アルコールの推奨量は、男性は1日2杯、女性は1日1杯までとしています。1杯はアルコール10-15グラムに相当します。

米国糖尿病学会は、アルコール24g(30ml)/日を食事と共に摂る程度なら適量としていますが、

ビール(5%)なら600ml ワイン(15%)なら200ml ウイスキー(43%)なら70ml 焼酎(25%)なら120ml 糖質ゼロ発泡酒(4%)なら750ml

に相当します。

<アルコールのリスク>
世界がん研究基金の2007年の勧告で、アルコール摂取は、「口腔・咽頭・喉頭がん、食道がん、大腸がん(男性)、乳がん」の確実なリスクであり、「肝臓がん、大腸がん(女性)」のリスクとなるので要注意です。

それから、過度のアルコール摂取は、肝細胞内での脂肪酸からの中性脂肪の過剰合成を引き起こします。その一部は肝臓外へ分泌されて高中性脂肪血症の原因となり、一部は肝細胞内に蓄積されて脂肪肝の原因となります。

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(財)高雄病院および(社)日本糖質制限医療推進協会 理事長。内科医。漢方医。京都大学医学部卒、同大胸部疾患研究所等を経て、1978年より医局長として高雄病院勤務。2000年理事長就任。高雄病院での豊富な症例をもとに、糖尿病治療、メタボ対策としての糖質制限食療法の体系を確立。自らも二型糖尿病であるために実践し、薬に頼らない進行防止、合併症予防に成功している。

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