抗けいれん薬の使用が「うつ病の電気けいれん療法の効果を下げる」可能性

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うつ病の治療で抗うつ薬が効きにくい場合に試される治療法の一つに「電気けいれん療法」があります。この治療時の「けいれん持続時間」と「寛解率」には明らかに関連があるとする研究が発表されました。今回のもりさわメンタルクリニックの無料メルマガ『精神医学論文マガジン』では、約7000人もの患者を調査した最新研究を紹介。抗うつ剤が効きにくい人に抗けいれん薬を使うことは、「電気けいれん療法」の効果を下げる可能性があるとして、この研究結果を気にすべきと伝えています。

電気けいれん療法によるけいれん時間とうつ病の改善

◎要約:『うつ病の電気けいれん療法では、けいれん時間がある程度長い方が寛解率が良い可能性がある』

抗うつ薬の効きにくい治療抵抗性のうつ病に対して、電気けいれん療法が有効であることがあります。また、同じ電気けいれん療法を行っても、施術中に出現するけいれん発作が継続する時間には個人差があります。

今回は、けいれん時間とうつ病の改善の関連について調べた研究をご紹介します。

うつ病におけるけいれん時間と電気けいれん療法
Seizure Duration and Electroconvulsive Therapy in Major Depressive Disorder

うつ病に罹患した6,998人(平均55.2歳、女性60.4%)が対象となりました。

結果として、以下の内容が示されました。

  • 全体で39.3%の人が電気けいれん療法によって寛解しました。
  • けいれん時間が60~69秒の人が最も寛解率が良く、これは20秒未満の人に比較するとオッズ比で2.17倍になっていました。
  • 抗けいれん薬の処方は、けいれん時間の短縮、寛解率の低下と関連していました。

抗うつ薬の効果が低い時や気分の変動が大きい時に、抗けいれん薬を追加するときがありますが、電気けいれん療法においては影響が気になる結果でした。

image by: Pavel L Photo and Video / shutterstock.com

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【著者】 もりさわメンタルクリニック 【発行周期】 日刊

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