中国で販売したすべての車両が対象か?テスラが「全4車種168万台リコール」を余儀なくされた

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中国市場における苦戦が取り沙汰されるテスラ。そんな同社が中国で販売した4車種168万台のリコールが発表され、各国メディアが大きく伝えています。日刊で中国の自動車業界情報を配信するメルマガ『CHINA CASE』は今回、この内容を報じた中国の記事を取り上げ詳しく紹介。さらに異例とも言える同社の「中国での販売全量」のリコールが招きかねない状況を考察しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:テスラ、中国でほぼ販売全量の168万台をリコール、OTAで対応

テスラ、中国でほぼ販売全量の168万台をリコール、OTAで対応

中国当局は2024年8月6日、米テスラの中国において販売されたModel S、Model X、Model 3、Model Yのリコールを発表した。

テスラ北京とテスラ上海が中国の法律に基づいて、同局に報告したもの。フロントトランクの異常による。

その台数が168万台以上となり、中国現地でも騒然としている。対象は、2020年10月15日から2024年7月17日までに生産されたもの。

同期間中のテスラによる中国販売が今回のリコール台数とほぼ同数のため、販売全量のリコールと考えられる。

ただし、大部分はOTAを通じて修正されそうだ。

どんな不具合?

今回のリコール対象車は、フロントトランクをロックした後、フロントトランクを制御するシステムがそのロック状態を認識できないという。

そのため、車両からは「フロントトランクがロックされていません」というアラートが出てしまう。

極端な状況だと、そのまま走行すると、走行時にいきなりフロントトランクが開いてしまい、ドライバーの視野に影響、事故発生リスクを高めるという。

OTAで対応

テスラ北京とテスラ上海はOTAを通じて無償でソフトウェアをバージョンアップすることで対応する。

ソフトウェアのバージョンアップ後は、フロントトランクをロックすれば、システムがしっかりと認識、「ロックされていません」など誤ったアラートも出なくなるという。

それ以外の対応方法

同時に、OTAを通じて、フロントトランクの解施錠に何らかの問題が見つかった場合、無償で修理に応じる。

OTAを通じて対応できない車両については、サービスセンターを通じて、ユーザーに対して通常のリコールを行う。

OTA不可のケース

OTA対応不可、というのは、おそらくは米国生産の輸入車両で、Model S、Model Xが該当すると思われる。

中国のネットワークや、中国のプログラムに対応していないためにOTAが難しくなっている可能性が考えられるため。

テスラの中国販売は圧倒的に上海製造車であり、Model 3、Model Yが中心。こちらはOTAを問題なく実施できると考えられる。

ただし、先述したように、OTAを通じた検査で、何らかの異常が見つかった場合、通常のリコール対応となるが、その比率は外部からは見通せない。

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