芸能界で将来トップに立つ「才能の原石」は、いまどこで何をしているのでしょうか?彼らが自分からオーディションに参加したり、街角スカウトの名所に姿を見せてくれるとはかぎりません。そこで水上恒司、桐谷美玲、黒木メイサ、堀北真希などを世に送り出した敏腕マネージャーが取った方法とは――芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんが詳しく解説します。
「トップスターの原石」は一般人の中に紛れ込んでいる
少し前、一部芸能マスコミが「なぜ芸能人には九州出身者が多いのか」という深掘りをしていました。
おそらく人気芸能人を記事にするたびに目にするプロフィールに、“え~、この子も九州出身なのか…最近多いなぁ…”ということからヒントを得たテーマだと思います。
確かに現在の芸能界は九州出身のタレントが席巻しています。
女性タレントを見ても、橋本環奈、今田美桜、上白石萌音&萌歌、川口春奈、森七菜…と。
私個人の見解を申し上げると、芸能界志望の若い男女を拾い上げるシステムが、福岡を中心とした九州に定着しているからだと言えると思います。
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敏腕芸能マネージャーが、街で噂のイケメンや美少女を発見する方法
私が芸能プロダクションのスカウト事情に着目するきっかけになったのは、1994年7月期にオンエアされた『君といた夏』でブレイクした瀬戸朝香の取材でした。
現在は『STARTO ENTERTAINMENT』取締役CMOでタレントの、井ノ原快彦夫人です。
彼女の生い立ちを取材するために、愛知県瀬戸市まで足を運んだのですが、この時に知り得たのが、当時瀬戸が所属する芸能プロダクションの敏腕マネージャーが仕切る、全国津々浦々に広がるスカウト網の存在でした。
「誰もが2度見するほどの女子中学生がいる」
「街頭インタビューされていた女の子が超可愛いと話題になっている」
「〇〇の✕✕というカリスマ店員が超カッコいい」
どんな小さな情報でもキャッチすれば、この敏腕マネージャーは労を惜しまず、実際に足を運んでビジュアル・チェックをするというシステムです。
あの水上恒司も発掘。スカウト網の情報が「信頼できる」ワケ
それまで私は、タレントの発掘作業は、不定期に行われる各種オーディション参加者を見極めたり、若い子たちが集まるスポットでの街頭スカウトだけだと勝手に思っていましたから、そんなスカウト網の存在は実に新鮮に映りました。
瀬戸のスカウト場所は自宅でした。噂に噂を足で探したこの敏腕マネージャーが、自宅で留守番をしていた瀬戸という“原石”に会いに行ったというわけです。
このマネージャーはその後も、堀北真希、黒木メイサ、桐谷美玲、水上恒司を世に送り出しています。
瀬戸の取材の数年後、私はこの敏腕マネージャーに直接、このスカウト網のメリットを聞いてみたことがありました。
すると彼女は「素人の目は確かだから…」と答えてくれました。
プロが判断する見た目ではなく、素人さんたちが“綺麗”とか“可愛い”、“カッコいい”と感じる感性を信じている…というわけです。
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