甲子園で幾度も流れる京都国際高校「韓国語の校歌」に文句を言わぬ日本人たち

Hyogo,japan,-,Jun,11,2022,-,Hanshin,Koshien,Stadium,Is,A
 

高校球児たちの憧れの舞台、甲子園。夏の全国高校野球選手権大会で今年は何回も韓国語の校歌が流れています。その理由は在日韓国系の学校である京都国際高校が決勝まで駒を進めているためなのですが、それにとやかくいう日本人たちはあまり見かけません。無料メルマガ『キムチパワー』の著者で韓国在住歴30年を超え教育関係の仕事に従事している日本人著者は、そういった日本人の無関心さと韓国で起きたとある抗議を例に挙げて、日本と韓国の隔たり、そして小さくも大きな“変化”について語っています。

京都国際高校の校歌

日本の公共放送NHKで今月17日と19日に韓国語の歌が流れた。「東海 渡って山都の地」で始まる在日韓国系京都国際高校の校歌だ。同校が日本全国高校野球選手権大会のベスト8に続いてベスト4に進むと、慣例に従って競技場で校歌を流し、NHKはこの場面を生中継した。

校歌に出てくる「東海」は韓国基準の東海を意味する。この海の公式の日本名は「日本海」だ。日本の公共放送が自国の領海を他国の基準に従って歌う場面を放映したわけだ。しかし、これに対して日本社会から非難が起こったとか、NHKに抗議が殺到したという話は聞いていない。韓国語が聞き取れないからと見るのも難しい。NHKは日本語字幕に「東海」を「東の海」と、事実上そのまま翻訳して流していたからだ。

京都国際高校の善戦をきっかけにNHKに繰り返し流れる「東海」という言葉とこれに対する日本人の神経質でない(無関心な)態度を見ながら、光復節(クァンボクチョル=韓国での8/15を祝う節)の韓国での出来事を振り返ることになった。

やはり公営放送であるKBSはこの日、イタリアの作曲家ジャコモ・プッチーニのオペラ「蝶々夫人」を流して激しい抗議を受けた。オペラの第1幕に出てくる日本の伝統婚礼の場面に、日本の国家である君が代が背景として出てくるという理由からだ。「光復節になぜ君が代なのか」という視聴者からの非難が殺到するとKBSは「製作陣の手落ち」と急いで謝罪した。

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