★もっと巧みな「私のためのIKEA」共感戦略
ここまでIKEA商品とプレゼン力が持つ魅力を書いてきたが、実は、IKEAの魅力は、他にもある。
レストランやカフェの存在だ。
イケアの小型大型、いずれの店内でも、お買い物中に一休みできてスウェーデンの味が手軽に楽しめる場所があるのだ。
すごい付加価値ですよね。
しかしIKEAがすごいのは、このサービスを、家具を買いに来たターゲット層に限定しないところだ。
これまたすごい魅力の拡散術!
平日、IKEAのレストランフロアには仕事をしている人もいる。
近くの高校生が放課後、たむろしたりもしている。
つまり、IKEAは、ただのカフェという存在でもある。
誰でも受け入れる懐の広さ!
これは、日本の家具屋さんには絶対にない発想ではないだろうか。
★IKEAは家具屋ではない
IKEAは見て触って楽しめるショールームがあると同時にお土産屋さんであり、カフェであり、レストランであり、1日過ごせる遊び場でもある。
いわばIKEAは一大エンタメ施設なのだ。
となると、IKEAの競合は、もはや大塚家具でもニトリとも違うのだ。
IKEAの競合は、スタバ、あるいは、ディスニーランドかもしれない。
少なくとも、IKEAファンの私には、ドトールコーヒー的な気軽さを持ったディズニーランド的存在、であるといえる。
どうです? IKEAの、ものすごい共感戦略!
プレゼン力のみならず、IKEA商品に魅力を感じない人にでもアピールできてしまうという強烈な存在力!
恐るべしですよね。
★おまけの考察
「安くておしゃれ」なIKEAの商品が持つプレゼン力はこんなふうにすごい。
この手法をおいそれと簡単に真似することは容易ではないだろう。
では、この事実をどう自分に生かすか?
何事も「逆もまた真なり」という。ということで、IKEAの真逆を考えてみた。
それはおそらく、「あなたのためだけの、世界に1つの商品」つまり「オーダーメイド」。
IKEAのように、お客様の共感を強烈にもたらすことは大切にしながらも、私のスピーチトレーニングは、まさにそういう商品サービスでありたい、と改めて思ったのだった。
と、こんなことを、リニューアルしたIKEA渋谷店のレストランフロアでつらつらと、想いました。
(この記事はメルマガ『スピーチコーチ・森裕喜子の「リーダーシップを磨く言葉の教室」』2024年8月31日号の一部抜粋です。この続きをお読みになりたい方はご登録ください。初月無料です)
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