核攻撃のハードルが格段に下がった恐怖。プーチンに代わってウクライナに核ミサイルを撃ち込む人物の名前

 

核兵器使用への心理的かつ物理的なハードルが低いルカシェンコ

「ウクライナの暴挙に対して称賛はしても行動を起こすNATO諸国はいない」ことを見透かしたように、プーチン大統領はウクライナへの攻撃のレベルアップを進めています。

その一つが“行動を起こしたルカシェンコ大統領”の動きです。

ベラルーシの軍とベラルーシが受け入れたワグネルの残党がウクライナ国境に迫り、ウクライナにプレッシャーをかけています。

ウクライナは抗議し、「ウクライナ領内に入ったら重大な結果に直面する」と根拠のない圧力で応戦していますが、これもまたプーチン大統領とルカシェンコ大統領が仕掛けたとんでもない罠な気がして心配しています。

ルカシェンコ大統領は「相次ぐウクライナからの圧力に対する懸念から、国家安全保障のために国境にベラルーシ防衛のための勢力を配置した」と行動を正当化していますが、これはもしかしたらウクライナ軍にベラルーシ軍を攻めさせて、それを口実にウクライナ戦線への参戦を宣言するのかもしれないと考えています。

実はこの事態、ロシアとウクライナの直接的な交戦に比べると、危険度は格段に上がります。

プーチン大統領とその周辺は何ども核兵器使用の脅しを行っていますが、実際にはロシアは核兵器を実戦配備し、stand ready状態に置いてはいますが、実際に使用した場合のコストが計り知れず、下手すればロシア存亡の危機に瀕することになるため、ロシアによる核兵器の使用はないと考えます。

しかし、これがベラルーシだと話が違ってきます。ルカシェンコ大統領は、ロシアの核兵器を国内に配備することに同意した際、何度も「ベラルーシは自国が攻撃に晒されるような事態に陥った場合、国家安全保障の観点から核使用を行う」と宣言しており、私見ではありますが、プーチン大統領に比べると核兵器使用に対する心理的かつ物理的なハードルが低いように見えます。

もしプーチン大統領は、自身は核兵器を使うことが出来ないが、国家安全保障上の脅威を理由にベラルーシがウクライナなどに核兵器を使用し、NATOが報復を行うことになっても、その対象はロシアではなく、まずベラルーシになると読んでいて、仮にNATOやウクライナがベラルーシに報復する場合には、同盟国としてNATOなどに報復をするという口実を得ることになれば、NATOに対して苛烈な攻撃を加える理由を獲得することになる可能性が出てきます。

仮に核兵器をもつロシアとベラルーシがウクライナ等を囲い込んで一気に攻め込むような事態になれば、それでも欧州のNATO加盟国は、自国にロシア・ベラルーシからの直接的な攻撃が及ぶリスクが高まる中、ウクライナのために本気で立ち上がるということは、各国内で高まるウクライナ離れのトレンドに鑑みても、考えづらいと感じます。

恐らくウクライナは支持と後ろ盾を失いますが、それに気づいているゼレンスキー大統領は、アメリカを戦線に引きずり込もうと必死になっています。

その表れが「ロシアを交渉の席に引っ張り出すための策をバイデン大統領とハリス候補、トランプ候補に報告し、協議する」という謎の宣言に繋がります。

そもそもなぜ自国防衛のための策をアメリカに相談して許可を取らないといけないのかは、イスラエルのケースにも言えることですが、とても不思議なのですが、話の中心にアメリカ政府を関与させて縛り付けておくことで、欧州各国が実際には頼りにならない中、アメリカをウクライナ防衛とロシアとの戦いに引きずり込もうという魂胆が見えてきます。

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