「エッチスケッチワンタッチ」にインスパイアされたか
実は「ワンタッチ痴漢」という呼称が「軽すぎる」と批判されるのは、“楽チンっぽさ”だけが理由ではないという。先のネットメディア編集デスクが説明する。
「いにしえの『エッチスケッチワンタッチ』に似ているという指摘も多いんですよ。セクハラ上等だった昭和時代のこのフレーズと『ワンタッチ痴漢』は、どことなく雰囲気が似ています。挨拶代わりにスカートをめくられて『やだもう!〇〇くんのエッチスケッチワンタッチ!』と女子が怒っている…といったイメージがどうしてもついてまわるため、その点からも不適切だと批判されているようです」
記者の記憶では、スカートをめくる男子側の決めゼリフだった気がするが、地域性の違いか。いずれにせよ「ワンタッチ痴漢」というネーミングはどうにもカジュアルで、『まいっちんぐマチコ先生』風味が強すぎるようだ。
「エッチスケッチワンタッチ」は、昭和の子供たちが好んで叫んでいたフレーズ。1970年代にはすでに存在したという説が有力だが、その由来は謎につつまれている。
「エッチはそのままの意味ですが、それに続くスケッチとワンタッチの解釈がむずかしい。一説によると、もともとは『エッチ・スケベ・タッチ』だったのではとも。これの語呂を調整して『エッチスケッチワンタッチ』が誕生したのだとすれば、ワンタッチは現在でいうところの痴漢行為そのもの、ということになります。『ワンタッチ痴漢』の妙なリズム感の良さは、そんなところにも理由があるのかもしれません」(前出のネットメディア編集デスク)
「エッチスケッチ乾電池」や「エッチスケッチモンチッチ」など様々なバリエーションを抑え、当時の子供たちにダントツで普及していたのが「エッチスケッチワンタッチ」だった。意識的か無意識かは別にして、警視庁のネーミングにも少なくない影響を与えているのは間違いない。考案者は40代後半から50代半ば、あるいは60代の男性である可能性もある。
最後に、「ワンタッチ痴漢」というネーミングに肯定的な少数意見も一応ご紹介しておこう。警察は案外しっかり目的を達成している、という見方のようだ。
《「オレオレ詐欺」みたいなもん。「ワンタッチ痴漢」もすぐに1つの用語として定着するから問題はない》
《ワンタッチ痴漢が炎上したおかけで、みんなあらためて手口を知ることができたし、警視庁の注意喚起は成功しているのでは?》









