習近平国家主席は自画自賛。「収穫期」と位置づけたアフリカとの関係

 

少し補足しておけば、中国がアフリカ諸国と非欧米を軸に連帯してきた歴史は長い。日本やアメリカが近年「グローバルサウスとの連携」をにわかに重視し始めたのとは年期が違うとの自負がある。そのルーツは1955年のアジア・アフリカ会議(バンド会議)だ。中国は、第三世界の代弁者を自認し、実行してきた。実際、筆者が北京に留学した80年代初めには中国が国費で招いたアフリカからの留学生があふれていた。

もちろん関係が長いことが即ち良好な関係ではないし、近いからこそ齟齬が生まれるのも外交である。しかし、それでも中国がまだ貧しかった時代から援助を惜しまなかったことはアフリカ諸国の記憶に刻まれている。

日本のメディアが、中国の対アフリカ援助は「債務の罠」だと批判しても、アフリカ諸国がほとんど反応を示していないのは、そのためだ。中国が、アフリカとの関係を収穫の時期と見定めたのは、一つにはアメリカとの関係悪化ためだ。早急にアフリカを貿易パートナーにしなければならない中国側の事情だが、そのアフリカがすでに──(『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』2024年9月8日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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1964年、愛知県生まれ。拓殖大学海外事情研究所教授。ジャーナリスト。北京大学中文系中退。『週刊ポスト』、『週刊文春』記者を経て独立。1994年、第一回21世紀国際ノンフィクション大賞(現在の小学館ノンフィクション大賞)優秀作を「龍の『伝人』たち」で受賞。著書には「中国の地下経済」「中国人民解放軍の内幕」(ともに文春新書)、「中国マネーの正体」(PHPビジネス新書)、「習近平と中国の終焉」(角川SSC新書)、「間違いだらけの対中国戦略」(新人物往来社)、「中国という大難」(新潮文庫)、「中国の論点」(角川Oneテーマ21)、「トランプVS習近平」(角川書店)、「中国がいつまでたっても崩壊しない7つの理由」や「反中亡国論」(ビジネス社)がある。

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