立憲民主党をここまで衰退させた元凶の泉健太
それから、次にあたしが呆れたのが、立憲民主党をここまで衰退させた元凶の泉健太が、必死こいて20人の推薦人を集めて出馬して来たことです。2022年7月の参院選で、立憲民主党は改選議席23のうち4分の1に当たる6議席も失うという惨敗を喫し、比例の獲得票数では松井一郎率いる日本維新の会を下回りました。何よりの痛手は、森ゆうこを失ったことです。ちなみに、自民党は8議席増やし、日本維新の会は6議席増やしました。
この結果は、すべて代表の泉健太の不手際が原因なのに、泉健太は1ミリも責任を取らずに代表の座にしがみつきました。まるで今の兵庫県知事のような往生際の悪さでした。
ちなみに、今回の代表選に出馬した枝野幸男は、2021年10月の衆院選で、109議席のうち約12%に当たる13議席を失った責任を取り、代表を辞任しています。そして、現在の泉健太が新代表となったのです。それなのに泉健太は、翌年の参院選で改選議席の約25%を失うという惨敗を喫しても、まったく責任を取らなかったのです。
もしもこの時、泉健太が責任を取って代表を退き、代わりに蓮舫を代表に立てた新体制に刷新していたら、立憲民主党のイメージは大きく変わっていましたし、自民党の裏金問題ももっとガンガン追及できたはずです。そして、森ゆうこと同じく貴重な党の要(かなめ)である蓮舫を東京都知事選などで無駄遣いすることもなかったですし、次の衆院選は余裕で政権交代を狙えたはずです。
「たられば」の話をしても虚しくなるだけですが、泉健太は立憲民主党のチャンスをことごとく潰して来た人物なのです。そしてそれは、有権者より立憲民主党に所属する議員たちのほうが、より分かっていると思います。その証拠が、現在の代表でありながら、20人の推薦人を集めるのに、誰よりも苦労したという事実です。
泉健太は、同じ党の議員らからも「この人が代表では次の衆院選は戦えない」と見られているのです。これは、全国の多くの立民支持者の共通認識でもあり、あたしと同じく政権交代を望む野党支持者の大半は「立憲民主党は次の国政選挙までに代表を刷新すべき」と思っているはずです。それなのに、イケシャーシャーと代表戦に出て来るなんて、どんだけ空気が読めないのでしょうか。
「原発事故の時に寝ないで毎日会見してた官房長官」枝野幸男
そして、枝野幸男です。旧・立憲民主党を立ち上げた人物であり、旧・国民民主党との合併時もキーパーソンですから、今でも党内ではそれなりの位置にいます。でも、今回も代表戦への出馬に関して、国民に発表する前に連合(日本労働組合総連合会)の芳野友子会長のご機嫌うかがいに走るという毎度のパターン。そんな枝野幸男は、あたしたち国民から見ると、「野党の代表」という肩書よりも「民主党政権時代の官房長官や経産大臣」という肩書のほうが遥かに印象が強いのです。「枝野幸男は何をした人?」と聞けば、今でも「原発事故の時に寝ないで毎日会見してた官房長官」と答える人が多くいます。
今回、野田佳彦は「唯一の総理経験者」という看板を前面に押し出していますが、コレにしても、その野田政権で経産大臣をつとめた枝野幸男にしても、この時の印象が強いため、政治にサラッとしか触れていない大多数の国民から見たら、2人そろって完全に「過去の人」なのです。その2人の「過去の人」と、現在の代表でありながら党内からもダメ出しされてる泉健太が並んで代表戦を行なっても、そこに刷新感はゼロなのです。
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